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四国・長曾我部の本拠地である屋敷は、いつにもまして騒がしくなりつつあった。

敵襲……と言うわけではなさそうだ。

めまぐるしく動き回る男達の手に抱えられているのは、酒樽やら、飯桶やら、魚やら。

どうやら、宴会でもやるらしい。





「アニキ、この鍋は何処に置きやしょうか?」



「オウ!真ん中に頼むぜ。」





この家の主・長曾我部元親も、楽しそうに自ら事の指揮を執っていた。

年の瀬ということで、鍋でもつつくようだ。





「にしても、アイツら遅ぇな……」





ふと、眼下にある城門に目をやる。
どうやら、宴をするにはまだ誰か、人が足りないらしい。

振り返るように宴会場を見れば、鍋の横には捌かれた魚が大量に置かれていたが、他の材料はない。





「政宗の奴、何モタモタしてんだ?………お。」





ふと、城門に人影が見える。

余程待ち詫びていたのか、元親は窓に駆け寄ると、その姿を確認した。

それに気付いたのか、門を通って入ってきた二人が、顔を上げる。

その内の一人が軽く手をふれば、元親はそのまま、城から飛び下りて二人の目の前に着地した。





「よォ、遅かったな。」



「sorry,道中色々あってな……。」



「久しぶりだな、元親。元気にしてたかい?」



「あぁ、オメェさんも元気そうだな。」





手を振ってきた彼、慶次の言葉に、元親は笑って答えてみせた。

その横では、何故か政宗がやけにげんなりとしている。





「keep one's promise. ちゃんと連れてきたぜ。」



「おう、それはいいんだが……何でそんなやつれてんだ?;」





疲れを全面にだし、物鬱気にため息をつく政宗に、元親は不審感を覚えた。

元々、今日の宴は政宗が発案し、元親と協力して準備したもので、政宗もそれを楽しみにしていた。

だからこそ、慶次を探すという役目を買って出たのだ。

それなのに、政宗の気は、昂ぶるどころか沈みきってしまっている感じがする。

しばらく首を傾げて政宗を凝視していた元親の肩を、慶次がトンと叩いた。





「ごめん;あれ、俺のせい。」



「?」





更に頭上に疑問符を浮かべる元親に、慶次はもう一方の手で後ろを示した。





「!?;」



「連れてけって聞かなくてさ。俺は別によかったんだけど、政宗が拗ねちまって」



「Don't tell a lie!! 拗ねてねぇ!」



「拗ねてたよあれは、ねぇ旦那。」



「政宗殿元親殿!抜け駆けとは卑怯なり!!」



「……途中で会ってからずっとこんな感じでさ〜…。」



「…………………。」





慶次の示した先には、赤と迷彩。……真田幸村と猿飛佐助が、どこか黒いオーラを纏って仁王立ちしていた。

さらに、





「それから、せっかくだから元就も呼んできた。」



「フン………。」





元親と政宗の心情は、見事なまでに合致した。








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あきゅろす。
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