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お知らせ(イベント)
イベント履歴(2020年4月〜5月)
・4月15日『翠と銀の国家間宣言/関係悪化』

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「銀の国クローカシアは執行者・追跡者と名乗る人物が翠の国マーテラに正規の手続きを踏まず不法入国し、挙句自国の問題である異端者と呼んでいる人物C氏を異端者狩りとし国を越えても銀の国の法で断罪、処刑を試み、あまつかえ居合わせた知恵のヴェズルフェルニルに迄危害を加えた。これは我が国を軽視する許し難い行為であり、ともすれば開戦に及んでも仕方ない蛮行である。また、保護したC氏の供述を公表する準備もできている。銀の教皇には神の名の下に国を運営する立場であるというのであれば潔くこれらに対する事実を認めたうえでの謝罪、相応の対応、処分を求める。そして今後クローカシアに限らず他国全般にマーテラ内で同じような侵犯行為に及んだ場合自国の法に基づき対応する事を表明する。」
と翠の国は銀の国と、青の国と黒の国に対しても釘を刺す牽制の一文を含めて世界を巻き込んで表明。
銀の国はこれに対し
「翠の国マーテラの突然の告発には驚いている。しかし主たるグラ・マロス神に誓い我が国に執行者、追跡者という人物は存在しない。C氏は確かに我が国において異端者に指定された人物であり、実在する人物だがマーテラが公表した通り、異端者、銀の国の、神の名を貶め、穢す罪人である。他国においては馴染みの無いのかもしれないが、異端者は諸国における罪人、犯罪者、ともすれば国家転覆すら狙う危険思想を持った人物達であると考えていただいても良い。その様な人物の証言に如何程の信憑性があるのか、翠の国には今一度冷静になって考えていただきたい。また、件の執行者や追跡者という表現は異端者の口から聞き出したのであれば、それは神の威光を穢すべく翠の国を利用せんとした醜い妄言であると翠の聡明なる若き王ならばきっと見抜き、賢明な判断を下すと信じている。我が国は争いを望まず、神の祝福を受けた大地を血に染める気もない。どうか今一度、落ち着いて真実を見据えてもらいたい。」

と、銀の国は公表。当然翠の国はこれに反論したが、事前に根回しし、主に自国の民向けに情報操作をし、毅然と銀の国の暗部を告発した翠の国だが文面上では穏便な対応を返した銀の国により異端者の言葉に惑わされて愚かな真似をしないようにと宥める構図を作り上げ印象操作。

その後も舌戦を繰り広げるが、結果を見れば外交問題に発展させたくないという銀の国側の主張が勝り翠の国側の主張が通らず、印象が悪化。二か国間での関係も悪化する事態となった。
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――あの翠の国が此処まで強弁を振るうということからして、相当な怒りを抱いているのは見て取れる。
かねてより銀の国には黒い噂が付きまとい、執行者の存在についても筆者も聞き及んだことはある。
実際の人物と遭遇した事はないが、翠の国のあの反応からして本当に全て真実を語っていたのかもしれない。

ただ、正直すぎた。そして問題が発生してから告発までに時間がかかり過ぎた。

真実はどうであれ、銀の国側が有利な主張ができるだけの時間を与えたのは翠の国の失策であり、予想されやすい正直な告発内容はそれだけ対抗もしやすいということだ。

無論翠の国としても開戦なんで最悪の事態は避けたいであろうが、もし仮にそうなったら例え銀の国がきっかけでも翠の国から戦争を仕掛けたという論調に持っていけるだけの印象操作をされてしまっている。

折角の異端者C氏という強い証言を持つ人物を抱えていたというのに、かえってそのC氏の存在が翠の国側の首を絞める結果にまで繋がってしまった。

これでは異端者の言葉に惑わされ、国と国の問題にまで発展させかけた未熟な国だという風にも受け止められかねない。

翠の国がかねてより抱えた不満に火が点いたにせよ、折角の機会を棒に振ってしまった感は否めない。

今後、何かきっかけがなければ両国は不仲のままになるであろう。

今回の問題に関し、最近妙な反応が多く以前ならバランス感覚が養われている青の国が制止を促すところだが今回は静観を決めているのも不可思議である。
黒の国は、彼の国こそ表も裏も底無く黒いからというわけでないが、開戦にまで及ばぬと踏んでいるからか動向を見守っているという一言のみに留まっている。

虚白の地、白の断章襲撃という事件が遭って国同士が団結しないといけないというのに不仲となり、和が乱れる。
なんとも歯痒い思いをするのは私だけであろうか。


・5月1日『見知らぬサーカステント、道化師の噂』

最近、何でも郊外で何時の間にかサーカステントが建てられていることからサーカス団がやってきているらしい。
しかしこのサーカス団、奇妙な噂が多い。

なぜか各国で同様のサーカス団が殆ど同時期に見受けられるようになっただとか。
神出鬼没であり誰にも気取られることなく建ったかと思えば逆に消えていたりだとか。
また、全く人気がなくいつ開催しているのかもわからない。

そして、同時期に失踪事件が増加している。
関連性に関しては不明で、失踪した人物は老若男女国籍問わず。
一見無関係に思えるが、この事件を調べているうちに失踪した人物の一人、その知人から聞いた話によると「道化師、ピエロ?クラウンに呼ばれている。行かなきゃ。」と言い残したのを最後に失踪したのだとか。
また別件では、この失踪事件を今の私のように調査していた者も失踪しただとか。

私はこのサーカス、道化師が怪しいと睨んでいる。
ちょうど、この国にも噂のサーカス団がやってきているようだ。
忍び込むにはちょうどいい。

ミイラ取りがミイラにならないように注意は払うが、もし私に万が一のことがあった時に備えて此処に私もまたこの事件を調べていたことを手掛かりとして残しておこう。


著者:ランドルフ・G・オーガスト


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