お知らせ(イベント) イベント履歴(2021年3月〜4月) ・3月21日『千年に一度の開花』 読者諸君、君らの下には招待状は届いているであろうか? 私の手元には今、奇妙な招待状が届いている。 否、なに。警戒したくなるのは分かる。 最近は虚白の地から怪しげな封が届いて何処ぞに飛ばされハロクリましておめでとうございますとかいう訳の分からない空間に飛ばされたこともある者もいたそうだ。 これまでの経験からまたその手の類かと経験する心はよく分かる。 だが私が意を決し開封してみたところ、拍子抜けする程に普通の招待状であった。 何か魔力の痕跡だとか術の痕跡だとかがあるというわけでもない。 内容は、ざっくばらんに言えばお花見の案内だ。 ただし場所が少々骨が折れる場所で、青憐国の本土から北に向かったところにある鬼ヶ島と呼ばれる島にある山、その中腹に生えた枯れ桜でやるというものだ。 あれは妙な曰くがある桜で、死人が大勢出ないと咲かないだとか何か特別な儀式が行われないと咲かないとか噂される程度には滅多な事では咲かないのだが、文を鵜呑みにするなら千年に一度咲く千年桜の類であるということ。 事実かどうかはともかく、悪戯にしてはやや手が込んでいるということもあり私はこの招待を受けて、条件に指定されている酒と香を手土産に向かってみるつもりだ。 もし諸君らの中にこの招待を受けている者がいれば、共に花見の酒宴に加わり談笑する機会があるかもしれない。心待ちにしておこう。 なに、鬼ヶ島といえど青の国の領土内、青の帝の目を恐れるならば変な罠だとか仕掛けだとか神隠しに遭うなんてことはなかろう。 著者:ランドルフ・G・オーガスト [*前へ][次へ#] |