PC挨拶:Ladies and Gentleman!さあさあ紳士淑女の皆々様御立ち寄り下さいませ。此れより行いますは我が星屑一座のサーカスショー。ゆやんゆよんと揺れる空中ブランコ、大玉に乗り魅せるジャグリング、燃え盛る炎の輪へ猛獣を見事潜らせる火の輪潜り、どれもが貴方の心を掴んで離しませんとも!………え?“其んな大掛かりな物が何処に在るのか”?ふふ、嫌だなぁ…今、貴方の目の前に、───ほら。貴方はもう、私から逃げられない。(夜の帳が降り闇が街を包む頃、賑やかな表通りから一筋離れた路地にて街灯をスポットライト代わりに佇み相手の姿を見付けると唇は弧を描き笑みを深め大袈裟に右腕を開いた後胸下に五指を揃えた右手を添え恭しく一礼し顔貌上げれば良く通る声を張り、此処がまるで舞台上かのように口上述べ。だが周りを見渡しても居るのも在るのも自分と戸惑う相手の二人きり。当然空中ブランコも燃え盛る火の輪も舞台すらも無い事を指摘受けるときょとんと目を丸め、にぃ…と双眸を三日月形に細め愉快気に笑み。すると突然街の喧騒は消え暗い無機質な路地の景色は一変、天鵞絨の幕が二人を囲い、其れが上がると頭上には誰も乗っていない空中ブランコが揺れ、ごうごうと音を立て燃える火の輪が一つ、緩慢に転がる大玉、何処からともなく猛獣が吼える此処はサーカス小屋の舞台上。まるで演目の一つかのような振る舞いを続け、右手の人差し指を立て薄い唇に軽く当て酷薄な視線と幻覚作用の有る甘い声を以て勝利の宣言をし。) [*前へ][次へ#]