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(藤逸)090909


「ベッドかしてくれ、寝たいから」
「! 勿論、君がベッド使用生徒第1号だよ。さあ、はやく」
かなりうれしそうに白いシーツをバンバンと叩く。あまりにも幸せそうにいうもんだからひくより笑いそうになった。ていうか、ベッドにはやくって呼び寄せる保健の先生なんていないよな。なに喜んで貸してんだか
布団にもぐり込むと保健室独特のベッドの感触で、ここで寝慣れた俺にはかなり居心地がいい。
目を瞑ると耳元でカタン、と音がして横をみると花を添えてる先生がいた。
「…なにしてんの?」
「花を置いてるんだけど、いやだった?」
「え いや、べつに」
なんで花?そんな病人じゃねえぞ俺。さぼりたいだけだぜ?そんな大層なことしなくたっていいのに
まあいいか、たかが花だし。そう思ってまた目をとじた。少ししたら手に触れたなんかもこもこしたやつ。びくっとしてそれがなにか確かめるとぬいぐるみ
「あのさ、先生」
「あれ、また起きたの?しかたないな、子守唄を歌ってあげよう」
「は?!いや、あのぬいぐるみ…」
「ダバダー ダバダダー」
「呪文じゃねえか!ちょっとまて、おれは病人じゃない!」
「そう、…なら、心の悩みとか?」
「なんで話通じねえの?!もういい、またくるから今は帰る」
こんな状態で眠れるはずがない。だって先生がこんなんなんだ。子守唄はひどい
「また来てくれるんだね!?」
「え?あ、あぁ」
なんだそのきらきらした目。
そんなにうれしいことかよ
「まってるよ」
いままでの変な笑顔はどこに消えた。ふんわりと笑いやがって、いつもの形相よりびびった。
適当に返事をして保健室をでたあとに考えてみた。やっぱりへんなやつ。話がつうじないやつは嫌いだけど、なんかあいつは違う気がした
これが俺がはじめて派出須逸人にであったときに抱いた感情だった。思えばこのときからちょっとだけこいつは特別だったんだ

であい





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