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(兄弟+東条)090909


たつにいがボロボロの雑巾みたいになって帰ってきた。はじめてみたその姿に、なつにいも俺もびっくりして声がでなかった。
「辰巳、どこで誰と喧嘩したの」
いつも穏やかななつにいの声に怒りがまじってた。一向に口を開こうとしないたつにいがじれったくてしかたない。多分なつにいにいえばその喧嘩の相手とまた大きな衝突になることを予想したたつにいは口をひらけないでいるんだ
俺にはおおかた 誰かわかっている
「まさか、東条さん?」
ぴくり、とたつにいが反応したのをなつにいも俺も見逃さなかった。なつにいの目に宿る怒りを抑えるために必死にその手を握る。なつにいは一度きれたら手がつけられない。荒れていた時代の血が騒ぐらしい
「なつにい、ここでたつにいの怪我の手当てしてて」
「…たかゆき?」
「いってきます」
「おい!たかゆき!やめろ!あいつは強え!」
「わかってるに決まってんだろ馬鹿兄貴だまって手当うけてろ!」
「…」
「俺は喧嘩なんかしない。」
そういってまだ微妙に明るい空の下、東条をさがしに走る
「……あのばか」
「馬鹿は辰巳だよ」
「夏目までそんなこというのかよ」
「…おれのためでしょ」
「っ、ちげえ」
「あいつの仲間にでも俺のことなんかいわれたんでしょ。俺かなり荒んでたから、いわれて当たり前だけど」
「…むかついただけだ」
「おかげでこんな怪我して、ばか」



東条は河原の下にいた。なんと一人で座り込んでいる。奴もたつにいと同じぐらいボロボロだった
「…東条さん?ですよね」
「……ああ?だれだ」
「たつに…辰巳の弟です」
東条は目をみひらいて俺をみる。ああ似てないとでもいうんだろ、もうそんな反応はなれてる
「そうか、まあ座れよ」
「え」
あれ 以外な答えだったんだけど。
「なんだ、お前も闘りにきたのか?」
まさか。お前なんかと喧嘩して勝てる確率はほぼない。だってたつにいと互角かそれ以上なんだろそんなの俺がぶち切れないとむりだ
「あいつに弟がいたとはな」
そんなとこでおどろいてんのかとツッコミたい。
「たつにいは次男ですから」
「長男は夏目か」
「あれ、しってました?」
「ああ、まあ」
ていうかそんなことどうだっていいんだよ。俺はただ
「たつにい、強かったですか」
それを聞きにきた、ボロボロになって帰ってきたたつにい。あんなのはじめてみたのはたつにいが強くて負けなしだったから。
「……まあ たのしめたぜ」
「よかった」
よかったというと東条はわけがわからないという顔をした
そりゃ兄弟やられてんのによかったはおかしいか
「あの人負けたのはじめてみたんです」
「正式にはひきわけだけどな」
「いままでは圧勝でしたから。だからこれからも殺さない程度に相手にしてあげて下さい」
「ハハハ!なんだお前、おもしれーな!名前は?」
「たかゆきです」
「たかゆき、か。男鹿につたえといてくれよ。さっきは俺の連れが悪かったって」
連れ?なんのはなしだ?
「それから、いい兄弟もってんなってな」
そういって東条はボロボロの体を引きずることなく歩いていく。
たしかにたつにいがやられたの悔しいよ。すげえ腹たったけど、おれはちょっとだけ嬉しかったんだ。たつにいが、ちょっとだけ嬉しそうな顔してたことが

喧嘩上等





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