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優しい死神(すばせか)

狩谷×ビイト




「ドウしてそんなにがんばるノ?」
「……は?」
最近良くみる顔にそんなことを言われて何と言えばいいか分からずに愛用しているスケボーをいじるとヘラヘラと笑うソイツの顔つきが少しかわったように見えて何だかものすごく申し訳ない気持ちになった。(なんて言えばいいかなんかわかってたくせに)(ライムを、みんなを、)
「…ビイトはとても優しいんダネ、そんな顔シないデヨ」
すっ、と伸ばされた腕を拒否する理由もすることもしないで、ただ細いその腕の中に自分の頭が抱えられるのを待ってた。
予想どおり痛いほどの抱きしめをくらい、脳内がクラクラする。(ころころとアメを転がす音さえ耳に響くぜ)
「やさしくなんかねえ」
「アレ、以外ダナ。」
「お前にそんな顔させるような人間だぜ?やさしくねえ」
「…………そういうとこが、」
言葉が途切れる。不思議に思って顔をあげると、そこにはヘラヘラとのらりくらりとしているソイツの姿なんざなくて悲しげに愛しげに俺をみる目がいてぇよ
「ビイト」
「なんだよ」
「ナニかに執着したのは、ビイトが初めてダ」
「……うれしいねぇ」
「もう、もどれナイヨ?」
らしくねえな。最初に言われた言葉に答えられなかったのは頑張る理由がライムたちだけじゃなくなっていたからかもしれねえ
こんな危険なことお前と以外するかってんだ。多分お前も似たような答えなんだろ?
「お前らしくねえな。ハートで感じろ、俺を」

戻るってどこに?死神の見えぬ世界?俺はもう戻れないことぐらい知ってるだろ?なあ
「俺、お前と幸せとライムたちのために 頑張ってんだぜ」
死人だとか死神だとか関係ねえだろ、こんなことでいちいち心痛めるなんてお前の方が優しいよ、アメ玉

優しい死神


090825



あきゅろす。
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