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Episode.00



世界は<光>と<闇>に分かれ、
聖なる光<ダンガン>は闇<エモノ>を撃ち、
地獄<ラクエン>へと誘い、
その身に罪<アカシ>を刻むだろう。





I believe only in me.






アベ・マリアの歌声とともに、ガタガタと古く錆びれたポンコツ車を揺らしながら、荒野を突き進む聖職者・千石清純は、くわえた飴の残った棒を、ぺっ、と窓から捨てた。

美しい音色が、そぐわない景色のなかに流れてゆく。ふと、ガタンッ、と車が不自然に止まった。


「Hey!!オレンジボーイ!」


すると窓の外から、キャップを被り、入れ墨を左の二の腕にしている男と、色黒のスキンヘッドで、サングラスをかけた男が顔を出した。きっと、車を無理矢理止めたのはこの二人であろう。最近は窃盗が多いという。清純は、はぁ、とため息をついた。

「おじさんが何の用?」

「腹が減ってんだよなぁ、だからよぉ、助けてほしくってさ」

「おあいにく様、食べ物は持ってない金もない」


そんなものはいらないさ。大男はそう言うと、清純の胸ぐらをぐいぃと掴む。そして、背中に大きく硬そうな黒い翼を露にした。清純の目付きがかわる。


"「"お前が餌だからなぁあぁああぁあ!!!」"


大男はそういうと、清純の頭に食らい付こうとした。
ガチャ、と無機質な音がする。清純は腰に従えた白<ケンジュウ>を両手に素早く取ると、羽を露にした大男と、もう一人の大男の脳天<キュウショ>に突き付けた。


「な」

「I am not Christian.あ、悪魔に平等も糞もなかったね」


清純はにっこり笑いながら言い切ると、白<ケンジュウ>の引き金を思いっきり引いた。

「I don't believe in God.
I believe only in me.」


"俺は神を信じない"
"俺が信じるのは俺自身だけ"

消えいこうとする大男、悪魔たちを哀れみるような目で見下ろしながら、清純は煙の上がる銃口をフッ、と吹いた。

その瞳は一切の光も宿してはいなかった。






cross OVER !









あきゅろす。
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