[
携帯モード]
[
URL送信]
ハナノユメ(切千)
薄い紙で、人差し指を切った。赤い赤い血が、ぽたぽたと床に落ちていく。俺は、ただそれを眺めるだけ。
ふと、昔の記憶が過る。
「うわぁ、ピンク色の薔薇だ」
「綺麗でしょ」
「ふへへへ。なんか千石さんみたいにふわふわしてるッスね」
ピクンッ、と指に痛みが走る。小さな小さな傷なのに、何故だろうか。まるで心臓を一突きにされたみたいに、すごく痛い。
(枯れてしまったピンク色の薔薇、ねぇ、俺の幸せを全部あげたらまた花を咲かしてくれる?)
←
→
無料HPエムペ!