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ハナノユメ(切千)



薄い紙で、人差し指を切った。赤い赤い血が、ぽたぽたと床に落ちていく。俺は、ただそれを眺めるだけ。

ふと、昔の記憶が過る。


「うわぁ、ピンク色の薔薇だ」

「綺麗でしょ」

「ふへへへ。なんか千石さんみたいにふわふわしてるッスね」



ピクンッ、と指に痛みが走る。小さな小さな傷なのに、何故だろうか。まるで心臓を一突きにされたみたいに、すごく痛い。

(枯れてしまったピンク色の薔薇、ねぇ、俺の幸せを全部あげたらまた花を咲かしてくれる?)








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