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三つ数えて振り向いて(切千)



「ねぇ、後ろ向いて三つ数えて」

「いきなりなんすか?」

目の前にいる、一つ年上の先輩、千石さんはときどき変なことを言う。元から不思議な人だと思っていたが、関わっていく度、更にそう思う。


「いーから、三つ数えてよ!」


仕方なく俺は後ろを向く。
まぁ、俺はそんな不思議な人、千石さんと恋人同士なわけで、不思議不思議言ってても、やっぱり、内心可愛いとか思ってる。

たとえば、さっきみたいに何か頼みごとをするとき、首を傾げる動作とか、無邪気な笑顔とか。


「数えますよー」

「うん」

俺は指示どおり、いーち、と数えはじめる。さーん、まで数えると、俺は「もういいっすか?」と言いながら、振り返った。


「あ、いねぇ!」



この時、俺は初めて彼をしっかり捕まえておかなくちゃ、と思った。




お題配布:DOGOD69



あきゅろす。
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