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君の名を呼ぶ(切千)



「その時は、俺の名前を呼んでください」



真っ暗な夕方だった。空は、星が輝きだしていて、満月も顔を出していて。晴れていた。のに、雨が降っていた。

「………」

俺は独り言も言うこともなく、ただただ押し黙って、下唇を噛みしめながら、その空を見上げていた。


「……っ」

頬に冷たいものが流れていく。
同情のような生暖かさを含みながらも、非情な冷徹さのような冷たさのそれは、地に落ちていくばかり。

あぁ、やっぱり。


「赤也君っ…」

嘘つき。俺はこんなにも傷ついてる。



(その傷を癒しに行く。なら早く来てよ)




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