電話中。(切千)
まただよ、電話中。
定番の機械音声が定番の言葉を喋ると、ブツッと電話が切れた。俺の堪忍袋の尾も切れてしまいそうだ。
切原くんはいっつも電話中。誰と電話してるのか分からないけど、俺が電話をかけると、必ず電話中。
君はそんなに電話が好きですかい、はいはいそうですか、そーですか！
下らない嫉妬をグツグツと煮ながら、俺はストラップの付いた携帯電話をベッドの上に放り投げた。
あー、さみしぃ。
プルルルルル、
携帯電話がベッドに着地してから１分も経たないうちに、携帯電話は鳴りだした。画面に表示された名前は"切原くん"。
｢もしもぉし｣
『あ！千石さん！さっきまで誰と電話してたんっすか！俺を嫉妬させたいんですかー！』
｢はい？｣
息がぴったり。っていうの？こういうの。
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