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両成敗ってことで(切千/秋星様へ)



「…だから!何でまた跡部さんたちと遊びに行くんだよ!恋人は…恋人は俺だろ!?」

ある日、ラケットの点検をしていると、赤也の叫び声が聞こえた。俺は驚いて、持っていたラケットと、食っていたガムを落としてしまった。
振り返ると、電話を壊れるんじゃないかとばかりに握りしめている赤也が、苦虫を潰したような顔をしていた。


「どうしたよ?」

「…何でもないっすよ、ブン太先輩、」


おそるおそる聞いてみたら、冷たく突き放された。俺はどうしたもんか、とため息をつく。すると、赤也が脱力したようにその場に崩れ落ちた。

「俺って、バカっすかね」

「はい?」


状況がわからない、と首を傾げると、赤也はとたんにスクッ、と立ち上がる。そして、自分のラケットやなんやらを片付けると、赤也は部室のドアに手をかけた。

「ブン太先輩…、今日具合悪いから休みますって、言っといてください」

「あ、はい…」


赤也はそれだけ言い残すと、ピシャッ、と強い音をたてながら、走り去っていってしまった。




『いやーごめんねぇ』

『……千石さん』

『ん?なぁに、赤也くん』

『…っ、な、何でダメなんすか!!そっちを断ればいいじゃないっすか!』

『うわ、電話口で叫ばないでよ。だって随分前から決まってたんだから、しょうがないでしょ。それに、俺赤也くんに言っといたはずだし』

『だからって…っ!そんな悪気がないようなへらへらした声で謝んなよ!!俺のことバカにしてんの!?正直すっげームカつくんだけど!』

『な、ムカつくってなんだよ、ちゃんと謝っただろ!それにへらへらなんかしてないし、大体なんで用事ある日に限ってデートしようなんてっ…そっちこそ人の話ちゃんと聞いたら!?』

『なんだよ、悪いのはそっちだろ!!なに逆ぎれしてんだよ意味わかんねぇ、マジありえねぇ!頭大丈夫あんた!』



『俺が誘うと、いっつも俺をないがしろにするくせに、バカ!』



あんたの言うとおり、俺はバカだ。正真正銘のバカなんだよ。何故なら、あんたも我慢してたことにさえ、気付いてないんだから。

俺は、ある場所を目指して走る。


たどり着くと、白い学ランをきたオレンジの髪の人が、寂しげな空気を漂わせながら立っていた。ここは、東京の公園。

「赤也、くん…」


千石さん、すみませんでした。
ねぇ、仲直りしませんか?

俺は涙を流す千石さんを引き寄せると、そっと自分の胸のなかに抱き寄せた。「両成敗ってことで」なんて言いながら。




秋星様相互リクエスト品。
なんか本気で喧嘩出来てない気がするのは私だけでしょうか?ブン太先輩の意味はとか聞かないでください。ノリです;;
気に入りませんでしたら書きなおしますので、言ってください;;
相互ありがとうございました!



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