最果て 03 遠い距離(ナルトside) 「おーいたいた。ナルトー!」 食べていたクリームパンから、声のほうへ視線を流すと、シカマルが俺を呼んでいた。 「あれ、シカマル。なに?」 「なんでこんなとこいんだよオメーは。探したじゃねえか」 ここは軽音部の部室だ。放課後以外は使われないから、けっこうマッタリしに来る。 今は、通りがてらになんとなく寄って、昼食を採っている最中だった。 「え、そーなの?ごめん」 「んとに神出鬼没だな。サスケに聞いても知らねぇ言うしよお」 ――サスケと聞いて、いっしゅん、心臓が跳ねた。 戸惑いを隠すように、無造作にパンの袋を握りしめた。 「ごめんってば…で、何用?」 「部活のことでちょっとな…」 ――サスケは、俺の双子の兄だ。 俺とはぜんぜんちっとも似てなくて、スゲー格好よくて何でも出来て―― ケンカもするけど、仲が良かったんだ。 …中学んとき、までは。 *back*next |