最果て 01 遠い距離(サスケside) 「好き」と「好き」がすれ違う。 行き着く先は、"愛"か"恋"か―― *最果て 「あ、サスケ!」 呼ばれてほぼ反射的に振り向いた。紛れる人混みの中で片手を振るのは、奈良シカマルだった。 「何?」 「ナルト知らねぇ?さっきクラスにも行ったんだけどよ、どっこにもいねえんだわ」 「…知らねぇな」 「そ?サスケんとこにいるかと思ったんだけどな」 見かけたら、探してたって伝えといてくれな。 そういい置いて、シカマルはのろりと何処かへ去っていった。 ナルトとは、クラスが離れている。これは義務教育中でも変わらなかった。双子は必ず離される。 だけどヤツは―― 『いやっ!サスケと一緒がいいってばー!』 なんて言って、うちのクラスまで毎日来てたっけな―― だが、それも中学生までの話。 高校に入ってからは、もうずっとこちらには来ていない。廊下ですれ違っても素通りだ。 否、それを断行しているのはこちらが一方的に、で。 すべての原因は、俺自身にある。 *back*next |