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日常編
守護者サマ!(守護者ツナ、ヴァリツナ、ツナ総受け ややギャグ)

部屋に入るなり、綱吉はため息をついた。

なんやねんこの状況。

確か今日は、勤労感謝の日だからボンゴレとヴァリアーで宴会、って予定だったはずだ。

なんやねんって聞かなくったって分かる。


また守護者とヴァリアーたちが喧嘩をしたのだ。
いやもう、同空間に存在させるだけで何となく先は読めたけどさ…



しかも強者揃いのボンゴレ・ヴァリアー幹部の喧嘩が、喧嘩と呼べるような可愛らしいものであるわけがない。


本人たちにとっては殺し合い

ただ、参戦者全員が一様に強い故に、ダメージは彼らにではなく周囲に及ぶ。



綱「いい加減にしてよね…」


ぽつり呟いた声に、一同が顔を向ける。


獄「ぬぁっ!!じゅ、十代目……っ?!すすすすすみませんこれには訳がありまして…オレが居ながらこんな惨事になってしまい申し訳――」

山「よく言うぜ獄寺〜、ベルフェゴールの挑発真に受けたのはお前だろー?」

牛「そうですよ獄寺氏、そこは否めません」

骸「クハハ、自分だけ罪から逃れようとするなど、狡猾な」

了「極限プンスカだぞ、タコヘッド!!」

雲「でもそこの南国果実が最初にムカつくようなこと言ったのが悪いんじゃない、僕は悪くないよ綱吉」

鮫「ゔぉおい、聞き捨てならねぇなぁ!てめぇがボスに喧嘩ふっかけてんなぁ目ぇかっぽじって見てたぞぉ!!」

蛙「スクアーロ作戦隊長ー、ほんとに目ぇかっぽじってるの見せてください男に二言はありませんよねー」

王子「しし、お前良いこと言うなーフラン。聞いたかスクアーロ隊長、二言とかあったら切腹決まりじゃね?」

鮫「てめぇらどっちの味方だぁ!!」

お釜「あらぁ、何甘ったれたこと言ってるのかしら?ここは戦場よ〜」

下僕「すなわち、全てが敵…。いやっしかし、オレはいつだってボスに忠誠を」

帝王「ハッ、ドカスどもが酒を濁しやがって」

殺し屋先生「やっと来たかツナ、こんなやつらほっといてオレと駆け落ちするぞ」



各々の言い訳と罪の擦り付けあいと悪態を目の当たりにして、綱吉はため息を深くする。

しかも途中から台詞の名前の表現がおかしいのは気のせいか。気のせいにしとこう。



「もう………そろそろ大人になってくんないかなぁ、うちの守護者様方は」


流石にヴァリアーのボスはXANXASだし、オレが首を突っ込む筋合いはない

綱吉はそう思い、やや口を慎んだ。


しかしヴァリアーの面子(の一部)はそこが気に食わないようだ。


ザン「おいカス、オレたちのことも叱りやがれ」


綱「いやどこのMだよ!!?」


鮫「寂しいんだよ察しろクソミソカスがぁ!!」

綱「アンタの口からその形容詞が出ると思わなかったわ!」

蛙「クソミソカスは補助動詞ですよー」

綱「えぇぇぇまじでぇ!?察するの命令形に接続してんの?意味わかんねーよ!!」

ベル「ちなみにドカスは本動詞だぜ」


綱「え、もしかしてドカスって『退かす』って言ってただけ!?かっこよさ半減だよ!!!!」



一気に怒濤の突っ込みをかました綱吉はぜぇはぁと肩で息をした。


ルッス「ごめんなさいねぇつなちゃん。この子達、同級生と喧嘩してたら憧れの先輩が来て相手の同級生だけ『おいこらっだめだぞ!乱暴したら先輩怒っちゃうからな★』って小突かれて、自分は『ゴメンな〜こいつ悪いやつじゃないんだけど』と謝られ何だか二人の仲の親密さを見せつけられつつ自分と先輩の距離の隔たりを感じるあの寂しさが身にしみてるみたいで」


綱「ぅ、うん、分かるような分からないような……」


スク「憧れじゃねぇ愛だぁ!」


ザン「てめぇが言うなドカスが」


綱「ぁ、愛って、その注釈いらないし…ってか、ぅあぁぁぁあ、ドカスがダサく聞こえてきたなんかごめんザンザス」




勤労感謝されてない
やっぱりタダ働きでツッコミ業年中無休だ


綱吉はひしひしと感じる。



山「つーなっ、つなつな!」


綱「ん?何、山本」


山「さっき俺たちのこと、何て呼んだ?」


綱「さっき……?ぁ、『守護者様』のこと??」


山「そっ!よく噛まずに言えたな!」


綱「え?あー、うん」


山「ツナはすげーのなっ」


変なところで褒めてくるキラキラ笑顔がよくわからないが、綱吉は『オレのヒーロー』に褒められて満更でもなかった。


しかし周りは山本の腹の黒さを分かっている。こいつは一体何がしたいのか。疑り深い目で探る、探る。


山「んでさ、それ、早口で3回言ってみ?」


綱「はぁ?なんだよそれー」

山「なー?たのむ!」



何をそんなに必死になるのか。

そこで、山本と剣を交え、かつ同じ雨属性である半常識人・スクアーロが彼の思惑に辿り着いた。


綱「もー仕方無いなぁ…」

鮫「ゔぉいっやめろぉ、つな――」


綱「守護者様守護者サマしゅごしゃしゃま、……あっ////」


自分が噛んでしまったことに気付き、綱吉は顔を赤らめた。


スクアーロはその顔を見て可愛さに悶えつつ、やっちまったと額に手を当てる。

他の面々もドキューンとハートが飛び出ており、イーピンがそれを無言で1つずつ胸に押し戻して収納してあげていた。



山「は、ツナさいっこー」


綱「最悪だよ!からかうなっ///」


山「わりーわりー、んじゃもっかいだけ、リベンジしてみろって!さっきは言えたんだし」

やはり、来た。
スクアーロは確信した。こいつの狙いはここだ、と。

綱「んぅ…。しゅ、しゅごしゃしゃま……///あぁっ!なんで!?言えなくなったぁ!!!!」



そう。一度噛んだ言葉は暫くの間…下手するとこの先ずっと――…再起不能になるの法則、だ。
山本のあほんだらはまさにそこを突いたというわけで。


スク(くそ、やはりあいつは侮れねぇ…!)


赤い顔のまま『しゅごしゃしゃま』を連呼し、挙げ句涙目で首をかしげさらには

綱「どーしてくれんの山本ぉ…///」


とすがるように上目遣いで見上げられて流石にポーカースマイルフェイス山本もでれでれするやら焦るやらだ。


それがまた皆は面白くない。
いや、綱吉のエロカワな顔はしっかりくっきり脳裏に焼き付けたけれども。


一番面白くないのはまたしてもヴァリアー。
なぜなら噛ませる文字がないどころかヴァはわざと噛まなければならないようなもんだ。そもそもV行に萌えの音はない。やはりS行やN行、M行が妥当だ。


山本の狙いにいち早く気が付いていたスクアーロは、他の誰よりもその怒りと失望から立ち直るのは早かった。

スク(こうなりゃ一か八か…)


スク「ゔぉおい綱吉ぃ、オレの名は!?」


嵐どころではない怒濤の勢いで聞けば、驚いた綱吉は口を滑らせる。


綱「しゅくあーろ…ってうわぁ!もう!何なんだよオレの舌!///」


いやもう何なんだよオレの下、状態はこっちだぁ!


スクアーロは叫びたかった。
可愛すぎる。


山「やるな、スクアーロ」


スク「ハッ、よく言うぜぇ腹黒野郎がぁ」

みると、黒い笑みを浮かべている。

山本武には萌えの音はない。MやSはあるが、噛まないような音だからだ。

ザン「おいカス、オレは」

綱「ざ、ざんざしゅ……ああぁもういやだぁ!!」
慎重に言ったのに結局噛む綱吉萌え!!
皆の心が一瞬ひとつになった。

スクアーロは思う。
まぁボスは、オレとしてはクソボスはまぁ辛うじて許そう。ざんざしゅとか言われて満足げに悶絶している姿を蹴り飛ばしたいが許しておこう。
そして考えてみればここに居る面子は、存外噛みにくい音の入った名前のやつは居ない。よし、これでこの場が守護者VSヴァリアー=1対2でこちらの勝ち――…



了「沢田、極限に大丈夫か!恥じらうことはないぞ、人間誰しも間違いは有るものだ!!」


綱「ぅあ…ありがとうございましゅ、おにいしゃん////」



全員((ななな、なんだとぉぉぉお、その手があったかーー!!!!!!))


結局、守護者VSヴァリアーは2対2で引き分け。
もうこれは拳や銃や剣や爆弾や幻術やトンファーや爆弾や膝蹴りやナイフや牛角や何やかんやでぶつかりあって決めるしかあるまい。


戦いは振り出しに戻った。
否、寧ろ悪化している。



綱吉は収集のつかない宴会場を見渡して再度ため息を付く。


綱「へや、もどろ…」


次からは山本のいたずらにのるもんか、みんなして馬鹿にしやがって…

とひとり誤解したボスはしょんぼりと自室に戻った。



その後ボンゴレ内で幹部がやたらと綱吉に『守護者サマ』を、ザンザスとスクアーロがおのが名前を言わせたがり、了平が知ってか知らずかベストタイミングで綱吉のもとを訪れるというという新しい嫌がらせに頭を抱えるドン・ボンゴレがお目にかかれたのは言うまでもない。


end



一度噛んだ言葉って暫く噛み続けますよねって話からの発展でした笑

山本とスクアーロがツナの話してたりして然り気無くバチバチするのがすごく萌えます。

二人はそういうライバル出もあってほしいな!

ザンとスクに取り合いっこされるつなも好きです!


ではまた次回!

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あきゅろす。
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