心に融解 すてきなはなし 風邪でぶっ倒れてから早一週間。無事に全快。もう元気。 半分くらい治りかけてきたときには仕事終わりのエルザたちがあたしの部屋に来てくれて、仕事ではやっぱり街を半壊させたとか、泊まった先の料理がおいしくなかったとか色んな話をしてくれた。 エルザがおかゆを作ってくれようとしたけどキッチンが壊されそうになったので途中でみんなで焦って止めた。結局グレイが作ってくれた。おかゆだけどなんかすごくおいしくて、グレイが料理上手だったってことが判明。おかゆを食べてる途中でジュビアがすごく怖いオーラを出してたけど頑張ってスルーした。不可抗力だからねうん。そういえばナツも作ってくれたっけ。…ナツには悪いけど味はグレイの方が上だった。 ナツのおかゆだっておいしかった、けどね。 ナツが来てくれた日はあのまま寝ちゃって、起きた時には夜中だった。熱を測ってみたら少し下がってた。 ちょっとだけだるさが抜けた気がしてベッドから出たらテーブルの上にはりんごが二個置いてあって、あたしがお母さんへ手紙を書くときに使う便箋にあんまり綺麗じゃない字で「早くよくなれよ」って書いてあった。人の引き出しから勝手に便箋使うなよ、って思ったけどそんな気遣いがすごく嬉しかった。ナツがそんなことしてくれたのがちょっと信じられなかったけど、なんていうかせっかく下がってきた熱がまた上がる気がした。 ナツは次の日も来たけどあたしは風邪がうつると困るからって言ってもう来させなかった。 毎日来られたら治るもんも治んないわよ。そんなわけで今日は久しぶりにギルドに向かった。 「ルーシィ!もう風邪治ったのか!?」 ギルドの扉を開けたとたんにナツがすぐ飛んできてくれて、いつものようなニカっとした笑顔を見せるからこっちまでつられて笑ってしまった。よく考えるとナツに会うのって久しぶりだよね。そう考えるとまた顔が赤くなってきた気がしてナツの顔から目を逸らした。 逸らしたまま「大丈夫だよ、あの時はありがと」って、がらにもなくあたしはすごく緊張してたから多分変な顔だったと思う。 「そっか!なら仕事行くぞ!」 「は!?え、今から!?早くない!?」 「そうだぞナツ、ルーシィだって病み上がりなんだ。少しくらい気を使ってやれ」 「全くテメーは相変わらず馬鹿だな」 「んだとグレイ!テメーのが馬鹿だろ!」 「あぁ!?んだとやんのかコラ!」 「やめんか二人とも!」 「「あい」」 わー単純。でもこのやり取り見るのもたった一週間ぶりなんだけど、すごく懐かしい気がして自然と笑ってしまった。 「グレイ様のおかゆ…」 「ひぃ!あんたまだ気にしてたの!?」 「…き、気にしてなんかいません。グレイ様のおかゆをルーシィが分けてくれなかったからってそんなことで拗ねるほどジュビアは子供じゃないです」 「気にしてんじゃないの…しょ、しょうがないでしょ!?病人の食べかけなんて食べたらうつすかも知れないじゃない」 「わかってます。いいです今度はジュビアが風邪をひきます。そしてグレイ様に看病してもらうんです…!」 「あーはいはい頑張ってね」 「はい、ジュビアルーシィには負けません」 「いや違うからあたしグレイのこと好きじゃないから」 「じゃあナツさんですか?」 「へ!?」 「ふーんへーぇそーなんですかふーん」 「ち、ちち違う違う全然ちがう」 「じゃあやっぱりグレイ様なんですか?グレイ様は渡しません」 「いや、だから違うって」 「じゃあやっぱり…」 「ルーシィ!ちょっとー!」 「あっミラさんだ。じゃあ!」 ナイスタイミングミラさん!うまいことジュビアから逃げられた。 しかしジュビアも本当グレイのこと好きよねー。あんなに素直に好きとか言えるのって本当にすごい。あたしなんてまだ自覚したばっかでナツの顔見るのも、恥ずかしいのに。 あー、ジュビアがなんか羨ましく見えてきた。あたしもいつか、す、好きって言えるのだろうか。 「ミラさん、お久しぶりです」 「久しぶりルーシィ。もう本当に大丈夫?」 「はい、もう大丈夫です!一週間も休んじゃったから頑張らないと」 「ふふ、そうね。この一週間ナツも大変だったのよー」 「ナ、ナツがですか?」 「そう、ナツ。ルーシィの家に毎日お見舞い行こうと思ってたのに来るなって言われたーとか言って、ずーっとその席、ちょうどルーシィが今座ってる席に座ってハッピーと一緒にだらけてたの」 「はぁ…」 なんか不抜けた返事をしてまった。だらけてたって、なんで。 「みんなが仕事でも行って気晴らししてきたらって言っても、ルーシィがいないと行きたくないとか言ってて。ルーシィがいないとつまんねぇが口癖になってたくらい。扉が開くたびにルーシィかーって反応してたのよ」 もう駄目だ。隠せない。 あたしの顔はきっと今真っ赤だろう。 素敵な話を聞きました 自惚れても、いいのかな *-*-*-*-*-*-*-*-* 相変わらずベタで走っております。一回書いたけど消えちゃった。すごくいらいらしてたのよ。 若干ルーちゃんのキャラが乙女過ぎてきた気がするけどいいよもう!乙女度まっくすはーとなんだよ!← 次回、最終回。早い。 2010.5.22 [*前へ][次へ#] |