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アーユーマイン?
7

なんだか寝苦しくて目が覚めた。寝返りを打とうとしたが、何故か体が動かない。金縛り?とか一瞬考えてしまったが、すぐに理由がわかった。咲人に背後からがっちりホールドされている。

「おい」
「……」
「咲、起きろ」
「……」
「流石に暑苦しいっての」

げしげし、と足で蹴りつけると咲人の押し殺した笑い声が聞こえた。首に当たる咲人の髪の毛がくすぐったくて思わず身を捩る。

「奏太、おはよー」
「…はよ。取り敢えず離れろ」
「やだよー」
「寝惚けてんじゃねえよ…」

腹に思い切り肘を入れたら流石に腕が緩んだのでその隙に抜け出した。

「痛っ…う、酷いよ、かなたん」
「うるせ。目え覚めたっしょ」
「最初ッから目ぱっちりだしー。わ、眩し…」

カーテンを勢いよく開けると、日の光に当てられきらきらと透き通る咲人の金髪は本当に綺麗だと思う。

「俺も髪染めようかな…」
「奏太はそのままで良いよ」
「でもさあ…」
「俺は奏太の黒髪が好き」

まあ確かに、俺が咲人みたいに派手な色に染めた所で似合わないだろうな。

「ところで咲人さん、今日のご予定は?」
「数学の宿題でも致しましょうか、奏太さん。その前に朝飯ー」

寝間着のまま洗面所に行って、洗顔と歯磨きを済ませる。朝御飯は菓子パンだった。その後ソファーでダラけようとする俺は咲人に半ば引き摺られるように自室に連れていかれ、数学の宿題とご対面中だ。

「奏太、そこ違う」
「は?どこよ」
「これ、マイナスじゃなくてプラス」
「だってこれ、これと、これを掛けるから…」
「その前にこれ、消すんだよ」
「あ、成る程ね」

一度やり始めたら意外と進むものですね。お昼頃には無事に終わらせる事が出来た。咲人様々だわマジ。

「咲人まじサンキュー」
「いえいえ、つかこの後どうする?」
「あー…そだ、NAR○TOの新刊出てんじゃん。買いに行く」
「俺も読みたいー」
「お前さ、一回自分家帰る?着替え」
「あー…いいや、昨日の制服で。春香さん洗ってくれたし」
「そういえばお前の制服リビングに畳んで置いてあったな。…俺は普通に私服で行くかんな」
「はいはい。今度から寝るときの服だけじゃなく私服も奏太ん家に置いとこ」

制服を取りに行く為咲人がリビングへ行った。さてと、俺も着替えるかー。本屋くらいだから適当で良いよな、とか言ってみるけど本当は普段からかなり適当だ。いつも雑誌モデル顔負けにお洒落な服を着こなしている咲人とは大違い。タンスを漁って、フード着きのパーカーとジーパンを出すとササッと着替える。靴下を穿き終えた時、いつもの制服に身を包んだ咲人が戻ってきた。
グレーのチェックのズボンにワイシャツ、黒い薄手のカーディガンに赤いネクタイ。うちの制服はなんか有名なブランドの物らしい。よくわからないが、やっぱ着る人がアレだとかっこよく見えるわ。
因みにうちの学校はネクタイの色が学年毎に違い、2年は緑、三年は青となっている。カーディガンは皆個人で思い思いの色のを着ている。俺はベージュの時が多いかな…

「奏太も着替えたか。んじゃ、行きますかー」
「おー」

財布と携帯だけポケットに入れ、俺らは家を出た。

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あきゅろす。
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