アーユーマイン?
6
今日もお疲れ様でした、自分。咲人が泊まってくれるんなら宿題明日で良いか。とか言いつつ結局ダラダラ先延ばしして咲人に怒られるんだよなー…
とりあえずあれだ、風呂入ろう。
「風呂どっち先入る?」
「奏太いってらっしゃい」
「じゃあいってきまーす」
俺はタンスから着替えを出して、ベッドの上でゴロゴロしている咲人に見送られ風呂場に向かう。途中階段で妹に遭遇して、咲人の事を色々聞かれた。
わりとゆっくり目に風呂に入って脱衣所に出ると、咲人が待っていて超ビビった。
「うわ!?ちょい…お前、部屋で待ってろや」
「だって奏太遅いんだもんー」
ばさり、と頭にふわふわのバスタオルを被せられる。ささっと体を拭いている間咲人は腕を組んで洗面台に寄りかかりジロジロと見てくる。
「奏太〜、そのパンツ新しいっしょ」
「うん。よくわかったな」
「赤チェックと緑チェックはあったけど青はなかったでしょ」
なんでそんなに詳しい。
俺はとりあえずパンツとジャージのハーフパンツだけ身に付けると、洗面台の前を陣取っている咲人を押し退けて鏡を見た。
俺のお腹はペッタンコだ。無駄な肉も付いていなければ筋肉も無い。腹筋とか、結構してるんだけどなあ…
ちらり、と後ろで服を脱ぎ始めた咲人の体を鏡越しに見てみる。細身ながらも綺麗に筋肉が付いていて均等が取れた体つき。
「ちょい、咲人腹触らせて」
「どこ触っても良いよ」
「あー、固い。すげ」
やっぱ筋トレとかしてるんかな…?今度聞いてみようかな…でもこいつに聞くとかなんかプライドが…
「はい終了ー、出てけ」
「おい、ここ一応俺ん家…」
肩を掴まれて距離を取られると、ぐいぐいと押されて脱衣場から追い出された。なんだこいつ、といぶかしみながら廊下を進むと、脱衣場から「やべー」という声が聞こえた。…クモでも出たんかな?会わなくて良かった。俺は虫全般が大の苦手だ。一人で部屋に居るときに虫が出てきた時なんかは大声で父ちゃんか母ちゃんを呼ぶ。
冷凍庫からアイスを取ってから自分の部屋に戻る。流石にもう秋だし、Tシャツ短パンでアイスってのは寒いな。ベッドに転がりながらアイスを食べて、食べ終わった棒をゴミ箱に投げ捨てる。
「ナイッシュー」
無事にゴミ箱に吸い込まれて行く木の棒を見届けた後、急激に襲ってきた睡魔に負けて俺は目を閉じた。やっぱ、金曜日って一週間の学校疲れが溜まってるから疲れてるなあ…
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