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アーユーマイン?
4

マックを後にして咲人と一緒に俺の家に来た。リビングの前を通ると金髪を頭上で大きなお団子にしてスウェット姿の母さんがソファーでテレビを見ていた。俺がただいま、と言えば母さんが振り向いて、咲人を視界に入れると微笑んだ。

「おかえり。お、咲ちゃんじゃんか」
母さんは咲人を咲ちゃん呼ばわりしている。2人は結構仲良しなのだ。

「おじゃましまーす」
「2人共ご飯は?」
「マック食ったから要らないー」
「あ、俺頂きます」
「はいはい、じゃあ後で呼ぶから」
「咲人お前、また食うつもりなのか」

呆れる俺の声を無視して咲人は勝手に階段を上がって俺の部屋へ向かう。まるで我が家かのように。俺も咲人の家では好き放題やってるから別に良いんだけどさ。

咲人が俺の部屋に入ってまずする事は決まっている。ベッドにダイブするんだ、毎回。これは最早習慣化している。

「あー…奏太の部屋落ち着く」
「もうお前の部屋みたいなもんだな」

俺がベッドに腰掛けて携帯をいじり出すと、すかさず咲人は枕を抱いたまま後ろから覗き込んでくる。こいつと居る限り俺にプライバシーというものは有って無いような物だ。

「誰からメール?」
「んー…瑞希」
「ふーん…」

仲の良いクラスメイトの名前を伝えれば咲人はさして興味も無さそうに再びベッドに寝転がり欠伸をする。
暫く部屋には携帯を打つ音だけが響く。

「――わ!?」

メールを打っている途中、いきなり腰に腕を回され引っ張られて俺までもがベッドに倒れ込んだ。…別に俺がひ弱なんじゃない、不意打ちだからだ、不意打ち。…まじビビったわ。

「咲人てめ、何すんだ」
「暇なんだもん、携帯弄りすぎー」

こういうところ、意外とよくあるんだよなこいつは。たまにすげえガキっぽくなってさ。ウザイけどなんか憎めねえんだよこれが。

「…あとちょっとで終わるから」
「ハイ駄目ー。今奏太くんは咲人くんといるんですー」

互いの鼻と鼻がくっつきそうな距離で睨まれる。…いつも思うけど、こいつの距離感は絶対にどこかおかしい気がする。それにも既に慣れてしまったけど。

(それにしてもアップに耐える顔だな…)

咲人の手により携帯は奪われ、パタンと閉じられた。俺が呆れた溜め息を吐くとどこか満足気な表示の咲人。

「構ってちゃんは嫌われますよ、咲人くん」
「やだなあ、奏太が俺を嫌いになるわけないじゃん」
「あ、やばい嫌いになりそー」
「え、嘘、やだ、ごめん。やめてマジで」

狼狽えすぎだろ、こいつ。


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あきゅろす。
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