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アーユーマイン?
16

「奏太!!いい加減にしなさい!」

布団を引き剥がされ、怒鳴られ朝を迎えた。非常に不快だ。目を開けると、眉間に皺を寄せた母親の姿。

「全くもう、あんたは…咲ちゃんじゃないと寝起き悪すぎ!」

…咲人。
思い出したらまた落ち込んできた。
毎朝うざいくらい俺を起こしに来ていた咲人が今日は来てないらしい。

「…行きたくない、学校」
「何バカ言ってんの!」

派手に頭を叩かれ制服を投げて頭に被せてきた。…荒いよ母さん。

あ、勉強道具の準備してない。って思ってのろのろと立ち上がり机の前に立つ。が、そういえば今日の授業なんだったっけ。とわからなくなった。いつも咲人が準備してくれてたから。結局わからなくて、時間割を書いたプリントも見つかんなくて、適当に数学と物理、化学の一式を詰め込んどく。

着替える時も、ネクタイが上手く結べなくて。結局ネクタイは付けずにポケットに入れた。

洗面所に行くと、目元が真っ赤になってて泣いたのがモロバレって酷い顔をしている自分と目が合う。
マジで休みたくなった、けど。
俺は物凄く成績優秀という訳では無く…寧ろいつも崖っぷちなくらいだから。授業の進みが早いうちの学校で、1日授業に出なかっただけでかなり取り残されてしまうんだ。そう簡単に休めない。

でもなあ…今日くらい休んだっていいんじゃないかな…
うじうじしてたらまた母さんに怒鳴られたから、よくある少女マンガみたいに食パンをくわえながら家を飛び出した。俺、弱い。

ギリギリで教室に滑り込む。ちらりと見たら、咲人はまだ来ていないようだ。HRが終わり、前の席の瑞希がくるりと俺の方を向いてくる。

「あれ、奏太今日1人?咲人は?」
「あー…今日は別々」
ていうかこれからもずっと別々かも。

「珍しー、奏太ベッタリの咲人が」
「んー…」

俺は苦笑いを返すことしか出来ず。

「つかお前、どした?目え腫れてる」

やっぱりバレたか。昨日超感動する映画を見てさーとか適当に誤魔化しておいたが、瑞希はあまり納得していない様子。けど、あまり追及してこなかったからホッとした。こいつ、案外空気の読めるやつ。

…それで結局咲人は、1日学校に姿を見せなかった。

久しぶりに1人で家まで帰った。

そういえば、と思い昨日の夜から電源を切ってベッドの隅に放置状態だった携帯を手に取る。電源を入れると、瑞希から何人かに一斉送信したメールが一件と、中学時代のクラスメイトからのメールが一件。その二件のみ。

はあ、とため息を吐いた。

瑞希からのメールは「明後日の化学の小テストの範囲教えてくれ(・ω・`)」という内容だった。
あ、俺聞かれてもどうせ分からなかったわ。
つか明日テストなんだ。無理だわ。

続いて中学時代の友達のメールを開くと、それはクラス会の案内で。そういえば、夏ぐらいにも開かれたんだけど、何でか行かなかったんだよな。…なんか咲人絡みだった気がする、うろ覚えだけど。
取り敢えず今回は、指定された日時に特に予定も入っていなかった為…参加すると返事をしておいた。


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あきゅろす。
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