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アーユーマイン?
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そのあと俺の家へ行って、ゲームをして晩飯を食ったら咲人は明日バイトだからと言って帰った。咲人は近くのカラオケ屋でバイトをしている。なんとなく出掛ける気も起きなくて俺は日曜日ひたすらゴロゴロしていた。

だけど、俺はずっと昨日の咲人が気になって、気になって。もやもやと考え込んでた。

咲人、俺に何か隠してるの?
俺…咲人がわからないよ、本当。

寝不足のまま迎えた月曜日は、学校の為いつもと同じ様に咲人が俺の家に迎えに来た。咲人は遠回りなのにも関わらず毎日俺を迎えに来る。わざわざいいよと何度も言っているけど「お前俺が直接起こさないと二度寝すんだろ」って。
…何度か前例があるから、否定出来ない。俺は元々朝がすげえ弱くて、母さんに起こされたら余計眠たくなるんだけど…咲人が来たらなんとなく寝起きが良いんだよな。

「…ん」
「かな、起きて」
「う…おはよ」
「おはよう。ほら、着替えよう?」

今さらながら、こいつは超過保護だ。おまけに心配性で、夜は一人で出歩くなとかお泊まりは禁止だとか抜かしやがる。
母か。いや、母さんより余程うるさいぞこいつは。
因みに俺のネクタイは毎日咲人が結んでいる。
「ジャージ持った?」
「んーん…」
「宿題は?」
「机の、上」
「いつも前日の夜に準備しなって言ってるだろ」

ぺちん、と俺の額を叩いてテキパキと学校の準備をする咲人も見慣れた光景。
洗面所へ行って、適当に洗顔をした後歯を磨いてる途中咲人は俺の髪の毛を弄くっている。咲人はワックスとかスプレーとか色々持ってて、たまにこうやってセットしてくれる。そのままでも可愛いよとかふざけたこと言ってセットも何もしない日は、めんどくさいんだろうな。ということで、咲人の気が向いた時だけ俺の髪型はキマってる。咲人自信は毎朝完璧にセットしてあるんだけどね。

リビングに行ってマイペースにバタートーストを食べたらもう遅刻ギリギリの時間だ。お弁当を引っ付かんで今日も慌ただしく家を出た。

「あ。おはよー」
「はよー」
「おはよう」

なんとかギリギリの時間に学校に到着し、席に着くと前の席の瑞希が後ろを向いて挨拶してくる。瑞希の隣が咲人。
瑞希はチビで女っぽい顔立ち(本人に言うと怒る)で茶髪猫っ毛のクラスメイトで、結構仲良し。大人しくしてたら中々可愛らしいのに、喋ると残念だ。因みに瑞希は女の子と下ネタが大好き。

「かなちゃん宿題やったあー?」
「うん」
「うわ!裏切られたー」
「悪いな、咲人という兵器を使わせてもらった」
「ずりっ、俺にも貸せ!」
「だめー、咲人は俺の物だから」
「ぶはっ!!」
「「咲人!?」」

先ほどまで此方を見向きもせずクールにコーヒー牛乳を飲んでたのに、突然吹き出した。前の席の人がまだ来てなくて良かった…
俺は慌ててポケットティッシュを差し出す。

「どーしたんだよいきなり!」
「いや、何でも…」
「つうかお前大丈夫か?なんか顔赤いぞ」
「ごめん、ちょっとトイレ」


…具合悪いんかな、あいつ。


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