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謎の男登場


広大な敷地内に建つ中世ヨーロッパを思わせるような豪華な屋敷。ここにあたし若宮美依は住んでいる。


パパは大企業の社長で、あたしはいわゆる社長令嬢。優しいパパとママ(金持ち=冷酷ってゆうイメージは間違い!)と優しい使用人達に囲まれて、あたしは文字通り何不自由なく幸せな生活を送っていた。



「お嬢様、旦那様がお呼びです。何かお話がある、とのことですよ。」


『本当?分かったわ、ありがとう。』




───--


『パパ、話があるって何?』


「まあとにかく座りなさい。」


パパの部屋に行くと、パパとママは二人で大きなソファーに並んで座っていた。いつも笑顔の二人が今日は笑顔じゃないことに疑問を感じつつ、あたしは二人と向かい合うように腰掛けた。



「美依、今日はお前に会わせたい人がいる。六道君、入ってきなさい。」


パパが扉に向かって呼びかけると、扉が開いて外から一人の男の人が入ってきた。


「失礼します。」


六道君、と呼ばれたその人は、世の中の女の人全てを魅了しちゃうんじゃないか、ってくらい美しい。(これって男の人にも褒め言葉になるよね?)スラッとした長身に黒の燕尾服がとても似合っている。


「六道君、娘に自己紹介を。」


「初めまして美依お嬢様、僕は六道骸と申します。クフフ、予想通り可愛らしい方だ。」



そう言って六道さんは、あたしが座っているソファーの前に恭しく跪き、あたしの手を取って甲に小さくキスをした。


『…!』


「忠誠の証、ですよ。」



顔を上げた彼は、左右色の違う目を細めてクフフと笑った。









謎の登場
(ゴホン!六道君!)
(おや、すみません)







 



あきゅろす。
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