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02-02


 
リビングに入ると家族が顔を揃えていた。今日は日曜だもんな。顔を揃えていてもおかしくない。


ちなみにぼくの家族は五人家族だ。
両親と二つ下の妹・皐月、四つ上の姉・亜季(あき)、そしてぼくだ。

ぼくは女に挟まれた長男坊だったりする。

家族総出でバラエティを観ているらしく、能天気な笑声が聞こえてきた。それを脇目にキッチンに入ったぼくはヤカンに水を入れ、ガスコンロに置いて火をかける。


「あ、英輔来たの? 丁度、良かった。珈琲淹れてくれる?」
 

姉貴が当然のように命令してきた。
 
専門学校に入ってから、姉貴の髪がキンキンに染まっている。まんまギャルだよな。性格は親父臭いけど。

「珈琲ぃ?」ぼくは今からお茶を淹れるつもりなんだけど、姉貴に旨を伝えると、「またお茶?」ソファーに座っていた姉貴が怪訝な眼を向けてくる。


「あんた。最近、お茶ばっかり買っているらしいじゃないの。なあに? 大好きな女の子がお茶好きだったりするわけ?」
 

「ありえるありえる」座椅子に座っている親父がテレビに目を向けたまま、会話に便乗してくる。
 
「ほどほどにしなさいよ」振り向いて貰えるよう頑張っているのは良いけれど、と煎餅を齧っているお袋。
 

皐月に至っては無言を貫き通していた。会話に入りたくないようだ。

 
キョトン顔を作ったぼくは、「女の子は関係ねぇよ?」てか、なんで女の子が出てくるんだ? と返事。
 
途端に四人が四人ともレモンを丸呑みしたような面持ちを作ったけど、気付かないぼくはノートを開いて唸り声を上げた。
 

「仲井と部活を作るっつったけど、今のままじゃ同好会だよな。ネームは何になるんだろう。お茶同好会? お茶研究同好会? んーっ、しっくりこねぇよな」

「ちょ、英輔。あんた、熱でもあるんじゃないの?」


姉貴の失礼な心配に、「心配ご無用」ぼくは至って健康だから。満面の笑顔を作って見せた。

「珈琲はメンドイから茶にするぞ」

勝手に姉貴のオーダーを変更し、頃合を見計らって火を止める。
あ、やっべ…、そば茶の適温は何度だったかな。折角、仲井に教えてもらったのに。
 
 
腕を組んで記憶検索をかけていると、親父からテレビを観るよう言われた。
 
視線を流せば、今大人気のアイドルグループCHA48が。
ぼくの大好きなアイドルグループだったりするんだけど、すぐ視線をヤカンに戻してしまう。今はアイドルよりお茶なんだよ、親父。
 
 

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あきゅろす。
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