01-12
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放課後。
仲井の独断で貴重な放課後を潰す羽目になっていたぼくは、彼と共に職員室前で待ちぼうけを食らっていた。
今日はまったく気の合わない仲井とおデートなのカッコハートカッコ閉じる。
ちなみに場所は放課後の学校。
かぁあ、放課後の学校でおデートなんて浪漫だねぇ。
学校のおデートといえば、教室がお決まりだ。
初々しいカップルなんかが誰もいなくなった教室でぺちゃくちゃ駄弁るんだぜ?
カワユイ彼女がりんごのようなほっぺをこっちに向けて、沈黙をなんとか避けようと一生懸命話し掛けてきたりなんかしてさ。
聞き手の彼氏はそれにうんうん聞いちゃったりしてさ。
話題が尽きたら、お互いに照れ照れになって、アマーイ沈黙を作っちゃったりして。
最後はちょんとくっ付けるだけのちゅーをしちゃったり?
触れるだけでもスリル満点!
もしかしたら教室に誰かが入ってくるかもしれないのに、嗚呼、自分達はなんて破廉恥なことを! きゃー!
「放課後おデート。ムードがあっていいよなぁ。ぼくもしたいよ。……いや、するんだけど、相手が」
横目で右隣を見やる。
腕を組んで前を見据えている生きた若手武士がぼくの視線に気付いたらしく、「なんだ」不機嫌にチラ見。
ぼくは額に手を当てて、現実という残酷な光景に大ショックを受けた。
放課後おデートの相手が野郎だなんて、ぼくの萎え萎え度はマックスに達している。
どんなにお茶好きになっても、女子と過ごしたい羨望は健在のようだ。
ぼくとしては自分らしさを見出せて一安心。
「覚悟はしていたけど、やっぱ萎えるよな。仲井くんと放課後おデートなんて」
途端に彼が威嚇するような眼で睨んできた。
「萎えとはよく分からないが、デートなんて不遜な言葉を使用しないでもらいたい。此方とて好きで貴様と過ごしているわけではないのだから。貴様と過ごすのは」
「分かっているよ。君の気持ちを穢さないよう、ぼくを見張りたいんだろ?」
「理解しているのならば、黙ってもらおうか。無用な時間は過ごしたくない」
そうでござるか、それは失礼致したでござる。
心中であっかんべーと舌を出し、ぼくは頭の後ろで腕を組む。
その際、かすかに後頭部に痛みが走った。
これは仲井のせいだ。
中休みに上履きを力いっぱい投げつけてくれたから。
こいつ、手加減を知らないんだよな。
醸し出されるオーラからして嫌われている度が露骨になってきているし、今の仲井にとってぼくの存在はゴキブリレベルなんだろうな。
見かけたらスリッパでぶっ叩かれるレベル、みたいな? そろそろゴキジェットを撒かれてもおかしくない。
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