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鬼夜 螺月

「誰がなんと言おうと俺は『異例子』の兄貴として生きる。誰にも邪魔はさせねえ」

 
【鬼夜 螺月】
(おにや らつき)
 
□種族:天使
□性別:男
□年齢:20代前半
□髪:
□瞳: エメラルドグリーン
□一人称:俺
□呼び名:螺月、兄さま
□武器:烈火の槍(Bランク)
 
□その他:純白のローブを身に纏い、背中には天使の象徴である純白の翼が生えている。


 × × ×

▼第一幕
 
聖界に住む四天守護家・鬼夜一族の天使。菜月の実兄。歳の差は推定十(人間と歳の取り方が違う)。
まったく似ていない整った顔つきと種族の違いから、異母兄弟に間違われがちであるが正真正銘菜月の兄弟。三兄姉の真ん中。
 
常に短気な性格をしており、些細なことで手を出してしまう。
本人もそれは悪い癖だとは思っているが直す気はない。
また聖界の教育をしっかり受けているため、悪魔や吸血鬼といった魔界人を心底嫌っている。
 
一方でとても家族、特に弟思い。思いを通り越してブラコン、それを通り越して過保護の域に達している。そのためやや空回りしがち。本人は至って本気・真面目なつもりなのだが、周囲からしてみれば度を越している。
姉の柚蘭曰く、「螺月の下に生まれなくて良かった」と思うほど度合いが強い。それは兄への憧れからきており、弟への口出しは凄まじい。
 
魔界人と繋がりを持った菜月を心底心配し、聖界に連れて帰ろうとした。失敗はしたものの諦めていない。
風花との関係は一切認めていない。弟を誑かした悪魔と敵視している。
 
母に捨てられた弟に何も出来なかった。それどころか傷付けてしまった。
過去を振り返っては常に自責の念を抱いている。故に弟への思いは強い。
いつかまた家族と、兄と見てくれるよう、報いはすべて受け入れるつもりでいる。
 
身体能力が高く槍術に長けている。
その腕は長を唸らせるほど。また変装術が得意で、子供以外だったら女性から老人まで幅広く変装できる。
聖界では“力天使”候補に選ばれ、一族から一目置かれている。


▼第二幕

弟の菜月と同居を始めた当初は、弟とぶつかったり、避けられることが多く思い悩んでいた。
それでも少しずつ距離を詰められたら良い、と言い聞かせていたものの、冷たい目を向けられる度にひとり落ち込んでいたのは内緒である。
兄として認めてくれなくても、家族として見られなくても、それでもいいと思っていたが、やっぱり兄として見られたいのが本音。

絶えず衝突が多かったものの、博学の天使襲来以降、菜月が心を開いてくれるようになり、誰よりも喜んでいる。
夢にまで見た弟との暮らしは穏やかなものとなり、たいへんブラコン度が増しているのは余談である。

おかげさまで聖保安部隊と衝突することも多くなったし、彼らをたいへん困らせているが、螺月はあまり気にしていない。
聖保安部隊と噂になる度に周りから気難しい天使だと囁かれても、やっぱり気にしていない。

最近の楽しみは菜月といっしょに雑誌を開きながら、和気藹々と世間話をすること。
菜月が動物や幻獣の挿絵を見る度に目を輝かせるので、なるべくそういう雑誌を買って、弟を喜ばそうとしている。


一方、ずっと願っていた夢が叶ったことで、極端な一面も見られるようになった。
たとえば弟が聖保安部隊の手によって研究所に連れて行ったと耳にした瞬間、なりふり構わず研究所まで走った。
たとえば『ルーセントの呪病』を患った弟の治療に、情を通わせるパートナーが必要となった時は自分がなると名乗り出た。
たとえば『異例子』の異名を持つ弟が利用されそうになったら、異例子の兄として弟の前に立った。

姉の柚蘭も心配するほど、螺月の姉弟に対する愛情はつよい。
螺月自身も、自覚はあるものの、この姿勢を変えるつもりはなく、これからも異例子の兄として生きていく覚悟を決めている。

また博学の天使により明かされた「異例子の失敗作」「新種族」を知り、弟に対する思いは増すばかり。

菜月が異例子として堕ちるのであれば、いっしょに堕ちていく。
ずっと、ずっと、いっしょにいたい。

ずっと、いっしょに。

だって自分もまた異例子、失敗作の異例子、弟が化け物なら自分も――……。

螺月の弟に対する愛情はそれほどまでに強く、深く、危ういものとなっている。

少しずつ螺月の種族変異は始まっている。



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