4444hit リクエスト
−−龍牙サイド。
入学式後、初HRの解散後。
オレ達は部屋の振り分けの為に、寮に移動する事になった。
これは、その道中での話し。
「ねぇねぇ、曽根君。 君が曽根君だよねー?」
移動中、オレの手を引き葵が向かった先は、さっきオレが話をつけた相手だった。
このオレを差し置き、葵の隣に座ろうと考えていた、愚かな不届き者。
直々に牽制に行っただけあって、もう愚かな事は考えていないようだ。
だが、葵に話し掛けられているこの状況は許せない。
さっきからずっと、オレと席を替わってくれた事に感謝を述べている葵。
いや、葵は可愛いんだ。
そんな可愛い葵の笑顔が、オレ以外の奴に向かっているのが実に腹立たしい。
まさか、オレとすんなり席を替わってみせたのは、
葵から感謝される為、わざと…!?
…なんて、邪推までしてしまう程だ。
あぁ、駄目だ。
これ以上、他の奴に葵の笑顔を向けさせておく事なんて出来ない。
オレは、そっとその場に立ち止まった。
オレと手を繋いでいる葵も、自動的に一緒に立ち止まる事になる。
急に立ち止まったオレを、不思議そうな目で問い掛けてくる葵に、
オレは耳元で囁いたんだ。
「葵に今すぐ、キスしたいな。」
「……っ! んもー。りゅーがちゃんったらぁv」
1年Aクラスの、一緒に移動していた連中には、
さっさとこの場からいなくなれ、と睨んでおく。
勿論、曽根には殺気諸々も込めて睨んでおいた。
そして、人がいなくなった頃合いを見計らい、オレは葵にキスを贈る。
深いキスをしてしまえば歯止めが利かなくなるから、触れるだけの可愛いキスを何回も。
オレにしがみ付き、必死にキスに応えようとしてくれる葵が、愛しい……。
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