Dark
手に手を[京+静x凛]#
※ヌルいながらエロです。十八歳未満のお嬢様はご遠慮下さい。
またエロな上にヤンデレで3ピーで死にネタという、何処に配置したらいいか物凄く困る作品です。
一つでも、「無理かも…」と思われた方は、バックプリーズです。何があっても大丈夫、という勇者のみお進み下さい。
「…っ、は、」
ザー…
激しい雨が、窓を叩く音に混じり、彼は押し殺したような息を吐き出した。
灯りのついていない部屋の中、手探りで彼の体を遠慮無くまさぐる。
汗に濡れた肌に指を這わせ、平たい胸の辺りで主張する突起を軽く引っ掻くと、ピク、と彼は反応を返した。
それに気を良くして、グリグリと指で潰し、強めにつねると、彼は酷く甘い声で啼く。
「あぁっ、んっ、」
痛みを訴える様子は微塵も無い。
時折雲間を走る稲妻が浮かび上がらせるのは、濡れた煽情的な体と、ただ快楽のみを追う溶けた瞳。
オレは酷く凶暴な気分で、ニィと口角を吊り上げ、胸の突起に爪をたてた。
「痛みさえ快感になるのか?…悪い子だ。」
「ひぁ…んっ、ぁんっ、」
喉を鳴らして哂うが、既に理性を飛ばしている彼は、恥じらうどころか、いっそう淫らに鳴いた。
胸だけでイけそうなくらい開発された体に、愛しさと同じくらいの憎しみを感じながらオレが溺れていると、ギィ、とドアが開く音がした。
「…なにオレぬきで始めてんのー?」
場に相応しく無い緩い声が響く。
肩越しに振り返れば、シャワーを浴び終えた志藤が、濡れた髪をタオルで適当に拭いながら戻ってきたところだった。
「お前はさっき散々ヤっただろう?」
「あっあっ、」
愛撫の手を止めないまま、引っ込んでろ、と暗に言うが、志藤は愉しそうに笑いながらベッドへ乗り上げて来る。
3人分の重みを受けて、ベッドが軋んだ音をたてた。
「冗談でしょ。…眠気飛ばす為にシャワー浴びてきたんだから。」
志藤は獣のように舌舐めずりをし、彼の両膝を掴むと、足を大きく開かせた。
「ねぇ、りっちゃん。…一緒に狂おう?」
「ひあぁ…っ!!!」
彼の中心で立ち上がりかけたものを、志藤は躊躇い無く口に含んだ。
より一層高い、悲鳴じみた嬌声が彼の唇から零れ落ちる。
「狂う、か。」
「あっあ、」
彼の耳を食み、耳の穴を舌で犯しながら呟いたオレの声は、自嘲の響きを残して部屋の空気に溶けた。
嗚呼、なんて馬鹿らしい。
だってオレらは、一人の例外も無く、皆、
既に――狂っているというのに。
「んっ、ふぁ、」
今目の前で快楽を貪る凛君が、先ず一番先に狂った。
攫われ、奪われ、踏み躙られ、昼も夜もなく抱かれ続け、
オレの主人の手によって、心を病まされた。
そんな彼を救えなかった事に、次いで志藤が狂い、
最後に、何も出来ず見ている事しか出来なかったオレが壊れた。
オレと志藤は、従順な部下を演じ続け、数ヶ月前からじっとその日を待った。
汚れた彼に絶望するフリをして、
罪悪感に目を背けるフリをして、
憎悪と歪んだ愛両方を押し殺しながら、ひたすらに待った。
そして、漸く
ほんの数時間、主人が彼から離れた瞬間、
オレ達は彼を攫ったんだ。
「…気持ちいー?りっちゃん。」
「んっ、…はっ、…きも、ちい…っ」
「此処はどうだ?」
「あぁっ…!」
「…可愛い。もっとしてあげる。」
御門を、次期当主を敵に回して、逃げ切れるなんて思っちゃいないさ。
今この瞬間にも、ヒタヒタと迫り来る死神の足音が聞こえる。
オレも志藤も、彼を攫うと決めたその時に、全てを捨てた。
後はただ、最期の瞬間まで、この子と繋がっていたい。
「もっ、…欲しいっ、」
「コレが、か?」
「ぁう、」
ユラユラ揺れる腰を引き寄せ、立ち上がった自身を擦り付けると、甘い瞳が喜色を浮かべた。
「あっ!日下部抜け駆けじゃん。」
「早い者勝ちだ。」
ゆっくり背後から抱き抱えるように腰を進めると、彼は前にいる志藤にも手を伸ばした。
「し、ずか…ちゃ」
「ん?」
志藤は甘く瞳を緩めながら、あやすように口付けた。
「…くさか、べ…せんぱ…」
「何だ?」
後ろ頭に、チュ、とキスしながら手を握ると、彼はその手に力を込めた。
「…二人、とも……………………ごめ、んね…?」
「「!!」」
昨日の晩に攫い、丸一日たつが、その間ずっと瞳になにもうつさなかった彼が、はじめてハッキリとオレ達を見た。
「……っ、」
不覚にも、視界が涙で歪んだ。
ずっと、
ずっと焦がれていた、君の声。
壊された、大切な君。
もう…二度と会えないんだと、絶望し渇望した君に、漸く会えた。
それが最期の直前である事なんて、どうだっていい。
どうだって。
「りっ、ちゃ…!!」
情けない顔で縋り付く志藤と、多分同じ位酷い顔をしている自覚がある。
「……辛い事、させて…ごめ、」
「いい、…そんな事は、いいんだっ…!」
小さな体を、力の限りにかき抱いた。
「凛君、…凛、凛凛…!!!」
君を抱いて息絶える事を夢見た。
でも君の体は此処にあるのに、心はなくて、
絶望に絶望を上塗りするように、快楽に溺れた。
『君が今、此処に居る。』
それだけで、全ての意味合いが、色を変えた。
ガツ、…ガチャガチャ、
騒がしくなってきた表もなにも関係無い。
「……二人とも、……最後の我が儘、聞いてくれる…?」
時間が無い事を悟った彼が、真っ直ぐにオレ達を見るから、頷いて、笑う。
志藤が、枕の下から、黒光りする鉄の塊を三丁引き摺り出し、オレに一つを投げ寄越した。
もう1つを彼の手に握らせる。
本家から拝借してきたソレのセーフティロックを解除し、
…カチャリ、
彼へと、向けた。
「………っ、」
オレのコメカミには、志藤の拳銃が押しあてられる。
「…………、」
物騒極まりない、悪夢のような光景。
けれど彼は、瞠った目を穏やかに細め、
奇跡みたいな綺麗な笑みを浮かべた。
カチ、
細い手は、躊躇い無くロックを解除し、志藤の額に銃口を充てる。
オレには、君の命を終わらせる悦びを。
志藤には、君に殺される歓びを。
ガチャ、…バンッ、
荒々しく開かれたドアを合図に、オレの指は引き金をひく。
嗚呼、神よ
愚かだと哂え、
罰を与えたいならば勝手に与えるといい。
誰がなんといおうとも、
これ以上の幸福など無いと言い切れる。
この瞬間の為に生きていた、とさえ
(狂う程に焦がれていたのは、)
(君との最期。君との永遠。)
END
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