Parallel 9 「オレはしずちゃんより、タチ悪いよー?食われたくなかったら、気ぃ抜いちゃ駄目。」 「……………。」 脅すように低い声で囁くが、その手も目も、いつもと違って優しくて。 眠くて無防備だからかな…本能的に、危険かどうかを感じ取れたのかもしれない。 普段の名雪さんがどうであれ、今の名雪さんは、オレをどうする気も無い。 たぶんだけど。 「……………。」 「………寝たよ。あり得ねぇ。」 意識をあっさり手放したオレに、名雪さんは呆れたように呟く。 「…総長に飼われてて、何でこんな無防備になるかな。……………本当、調子狂う。」 長く息を吐き出した後、名雪さんは、近くのソファーにオレを抱えたまま座った。 やがてサラリ、とオレの髪を撫でつつ、困ったように名雪さんが呟いた言葉も、寝落ちしたオレが、知るはずなかった。 「…護りたい、とか………オレらしくないっしょ。」 . [*前へ] [戻る] |