Parallel
3
気にするな、寧ろ、もっと頼りにしろ。
そう言っても少年は、頑なに首を横に振る。
行くあても無いだろうに、聞いても誤魔化すだけ。
なんとかなります、なんて笑ってみせるが、高校生にもなっていないくせに、どうやって金を稼ぐつもりだと怒鳴りたくなった。
心配しているのに、頼りもしない。その上、オレがいない隙に逃げる様に出て行こうとしている姿に、キレた。
ああ、そうかよ。お前がそのつもりなら、オレも遠慮なんてしねぇ。
そう決意し、逃げようとするのを先回りし捕獲して、話も聞かずに振り回している。
逃げたければ、逃げればいい。
但しオレは、お前の意志を尊重なんてしない。
逃げるなら、どんな手段を使っても、捕まえる。それだけだ。
「……なぁ、凛。何食いたい?」
漸く教えて貰った名前を呼べば、憮然とした顔で……それでもちゃんと、瞳にオレを映す。
ソレに機嫌を良くし、オレは下手くそな鼻歌を口ずさみながら、歩いて行った。
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