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Parallel
9
※黒さん視点です。


「……取り敢えず、調査を続行しろ。相手の出方が分からねぇうちは、手ぇ出すな。」

『了解しました。』


短い会話で通話は終了した。携帯をローテーブルの上に置き、寝室へ戻る。
いつ連絡が入るか分からない為、電源は落とせないが、寝室には持ち込みたく無い。


この、穏やかな空間を、壊されたく無かった。


「………?」


寝室に戻ると、ベッドにはこんもりとした塊が出来ていた。
仰向けで静かな寝息をたてていた筈なのだが、いつの間にか頭から布団を被り丸まっている。


足音をたてない様にゆっくりと近付くと、シーツの小山は僅かに上下していた。

「……………。」


ソロリとシーツの端を捲り上げると、横向きに膝を抱える様に丸まる少年。


その姿は、弱っている動物が本能的に腹を庇っている様で…、


「……本当、野良猫みてぇ。」


ベッドサイドに腰を下ろしながらも、呟いた言葉は、不機嫌さが表れてしまった。


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