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Parallel
7
※黒さん視点です。


「………………、」


オレが本のページを捲る音しかしなかった室内に、ブーブーと何かが震える鈍い機械音が響いた。


チェストの上に放置していた携帯が、バイブで着信を知らせている。

大股で近付き、素早く手に取った。電話の相手を待たせないように、というよりは、穏やかな眠りを妨げない為に。


寝室を出て、扉に寄りかかりながらフラップを押し上げる。表示された『朱雀』の文字に短くため息をつき、通話ボタンを押した。


「…何かトラブルか?」


開口一番にそう問うと、いつも食えない笑みを浮かべている男は、低い声で肯定した。


『はい。』


オレが頭を勤める《陰/陽》のメンバーは、互いにあまり干渉しない。つるむ位だから気は合うのだろうが、無駄な馴れ合いを嫌う。

普段の日に連絡を取り合う事は、殆ど無い。


つまりは、朱雀も何か火急の用があるからこそ、だとは思ったが…


「…何だ。」


機嫌の下降とともにワントーン下がった声で、オレは短く問うた。


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あきゅろす。
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