Parallel
7
「馬鹿ぁっ…。」
いつもの暁良に安堵して、泣き顔を隠すように胸に顔を埋める。
「…とっとと育て。体だけじゃなくて、中身も。」
暁良らしくなく、若干、苦い声でそう呟く。
「暁良…?」
「…このオレが、待っててやってんだ。他の男に目移りしやがったら、許さねぇからな。」
甘く低く、暁良は囁く。
脅しと口説き、両方合わせたような言葉に、オレは顔を紅くした。
…したらどうなるのか、知りたいような、知りたくないような。
「……したらどうなるの?」
好奇心に負けて、オレか恐る恐る暁良を見上げると、綺麗な顔が妖しい笑みを浮かべた。
「…そうだな。まず、相手の男は……楽には死なせてやらねぇ。」
ゾクリとくるような声音が、オレの耳に侵入してくる。
「生まれてきた事を、後悔するくれぇの、苦痛と恐怖を与えてやるよ。…オレのモンに手を出した報いだ。」
お前のものじゃない。
そう否定したいのに、上手く言葉に出来ない。
…だって、物騒極まりないけど、これはまるで、愛の言葉のようだ。
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