Parallel
6
「………っ?」
「…あれ?どうかした?」
突然、グラリ、と視界が揺れた。
傾きかけた体を、志藤さんが咄嗟に支えてくれる。
「……………?」
何故か、力が入らない。
頭もぼんやり霞みがかって、怖いくらいの睡魔がおそってくる。
「…どうしたの?大丈夫?」
「…あ、……ごめ、なさい……何か、おかしいかも……」
途切れつつも、返す。
志藤さんの腕の中で身動ぎ、体を起こそうと、何とか力をいれようとしたら、逆に押し留めるように志藤さんは、オレを抱き締める腕の力を強めた。
「…おかしくないよ。………予定通り。」
「…え?」
ボソリと呟かれた言葉は、小さすぎて聞き逃してしまい、聞き返すように見上げた先、志藤さんは笑う。
ブレる視界の中、志藤さんは、見た事ないくらい嬉しそうに微笑んだ。
「…眠くなっちゃった?…仮眠室じゃあ落ち着かないよね、…帰ろっか。」
「……………、」
言葉を発する事も、もう億劫なくらい怠い。
でも、此処にいたいって、伝えなきゃ…。
…御門が、
此処で待ってろって、言ってたから。
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