Parallel
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「今日の護衛はオレ。よろしくねぇ?」
「えっ…。」
そう言って、タレ目がちの金茶色の瞳を細め、甘く笑んだ男性…志藤静に、オレは言葉をなくした。
「あれー?珍しい組合せだね?」
溜り場に現れたオレと志藤さんに、一番初めに声をかけたのは、オレンジ色に染めた髪が良く似合う、爽やか系のイケメン、名雪圭吾。
子供みたいな無邪気な笑みを浮かべつつ、残虐で容赦ない所業を繰り返す事から、仲間内からも恐れられている彼は、オレ達二人を見て、紅茶色のアーモンドアイズを丸くした。
「王さまより、今日の護衛を仰せ付かりましたぁー。」
茶化しつつも志藤さんは、椅子を引いて、オレに視線で『座って?』と合図する。
「………、」
何というか、フェミニストすぎて、居たたまれない。
さっきもドアをオレの為に開けて待っててくれたり、段差の前で手を差し伸べてくれたり、一々むず痒いくらい丁寧で、困る。
しかしチキンなオレは、好意でやってくれている事を拒否も出来ず、居心地悪い思いをしつつも、結局、椅子に座った。
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