[携帯モード] [URL送信]

Parallel
1#


「っあ…!!」


真っ暗な部屋の中、自分の甘ったるい声が響く。


それを恥ずかしいなんて思う感覚すら、疾うに失せた。


「っ、ひぁ…、…あっ!?」


朦朧としながら、シーツを握り締める。
這いずる体を後ろから、抱き抱えられた。


逃げるのは許さないとばかりに、両足を抱えあげ、体のより深くまで喰わえこまされる。


「っああ…!!」


「逃がさねぇよ…、」


激しくオレを揺さ振りながら、御門は片足を解放したかと思うと、その手でオレの顎を掴む。


苦しい体制の中、深く噛み付くようなキスをされ、呼吸さえ奪われてしまいそうだ。


「…っふぁ、…んっ」


キスをしながらも、男もオレも、目を閉じない。
ブレる位至近距離で、藍色の瞳がオレを映すのに、痺れそうな快感を感じた。


「…っあ、」


この目が、好きだ。


例え、飽きて殺される日が、今日だったとしても、


この瞳に映ったまま逝けるなら、幸せだと思える位。


この感情を、何て呼ぶかなんて知らない。


何でこの男が、オレを抱き続けるかも分からない。


オレが分かる事といえば、



――今日も飽きられる事はなかった。


ただ、その事実だけ。


.

[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!