Parallel
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「っあ…!!」
真っ暗な部屋の中、自分の甘ったるい声が響く。
それを恥ずかしいなんて思う感覚すら、疾うに失せた。
「っ、ひぁ…、…あっ!?」
朦朧としながら、シーツを握り締める。
這いずる体を後ろから、抱き抱えられた。
逃げるのは許さないとばかりに、両足を抱えあげ、体のより深くまで喰わえこまされる。
「っああ…!!」
「逃がさねぇよ…、」
激しくオレを揺さ振りながら、御門は片足を解放したかと思うと、その手でオレの顎を掴む。
苦しい体制の中、深く噛み付くようなキスをされ、呼吸さえ奪われてしまいそうだ。
「…っふぁ、…んっ」
キスをしながらも、男もオレも、目を閉じない。
ブレる位至近距離で、藍色の瞳がオレを映すのに、痺れそうな快感を感じた。
「…っあ、」
この目が、好きだ。
例え、飽きて殺される日が、今日だったとしても、
この瞳に映ったまま逝けるなら、幸せだと思える位。
この感情を、何て呼ぶかなんて知らない。
何でこの男が、オレを抱き続けるかも分からない。
オレが分かる事といえば、
――今日も飽きられる事はなかった。
ただ、その事実だけ。
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