Parallel
5#
魅入られたオレが、食い入るように見つめていると、突然、
バサリ、という音とともに、少年の姿が隠された。
「…っ!?」
「…テメェ、誰の許可を得て此処にいる?」
シーツに包んだ少年を抱き寄せ、王は静かに問うた。
声だけで周りの全てを凍てつかせるような、冷ややかな声音と、絶対零度の藍色の瞳が、刺さる程の怒りをこちらへ伝えてくる。
「……っ、…情報屋から、報告書が届いて、」
その目に呑まれそうになりながら、オレがそう言うと、総長は近くの机を指差す。
そこに置いて、さっさと出ていけ、という意味だろう。
逆らう事はせずに、机に資料を置くと、総長は剣呑な光を宿した瞳を眇めた。
「……二度目は、ねぇ。」
冷酷な声で宣告する男に、オレは息を飲む。
踵を返し、後ろ手に扉を閉める直前、行為が再開されたのか、再び高い声があがった。
「…腰が揺れてるぜ…?淫乱だな、相変わらず。」
「っふ、ぁあっ…!!」
響く水音と、腰を打ち付ける激しい音から逃げるように、オレはその場から逃げ去る。
狂いそうな位、身体中が
…熱い。
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