Parallel
4#
オレはノックする事無く、扉を開けた。
ガチャ
「…っひぁ、ん」
熱い空気が充満する部屋に、押し殺したような艶めかしい声が響いた。
「…っ!!」
オレは呆然と目を見開く。
…セックス中なんて、分かり切っていた事。
けれど、馬鹿みたいに、
呆然と、――見惚れた。
総長に、華奢な腰を掴まれた少年は、騎乗位のまま、天を仰ぐ。
下から突き上げるような律動に、跳ねる少年が首を振ると、宝石みたいにキラキラと、汗が散った。
「あぁっ…!!」
黒曜石の瞳に浮かんだ涙が、頬を伝い落ちる。
頬を朱に染め、快感に耐えるように眉をひそめた顔は、息を飲む程、壮絶に色っぽい。
「っ、」
喘ぐ、濡れた唇。
汗の浮かぶ華奢な首筋。
白い肌に、これでもかと散らされたキスマーク。
酷く淫靡で卑猥で、
けれど同時に、何故かとても清らかに綺麗な存在を見ているかのような、不思議な心地だ。
ゴクリ、と
自分の喉が、やけに大きな音をたてて鳴った。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!