Parallel
6
真っ赤な顔で、そう呼ぶと、西崎は僅かに目を瞠った後、見惚れるような格好良い顔で、綺麗な笑みを浮かべた。
「…良く出来ました。」
「…っ!」
恥ずかしいっ!!
悶え死にさせる気か!!
と、ぐるぐるするオレを、西崎は抱き寄せ、腕の中にオレをおさめる。
四方から再び、多数の舌打ちが聞こえ、西崎が、オレの肩口で笑う気配がした。
オレに見えない角度で、声に出さずに唇の動きだけで、西崎が皆を牽制していたなんて、オレが知るはずもなく、
こう笑っていた事も、当然オレは知らないままだった。
『コイツはやらない。…とっとと失せろ。負け犬共。』
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!