Under 可愛いヒト。@[静凛] 150万打記念小説。 (2位 志藤 静) ※パラレルで恋人設定です。 恋人が、風邪をひきました。 「…………、」 ベッドサイドに腰掛けながら、オレは手を伸ばして、しずかちゃんの額に滲む汗をタオルで拭いた。 しずかちゃんは、夜も遅くなってきたから帰っていいよ、なんて言ってきたけど、無理言って居座ってよかった。 深夜になるにつれ、しずかちゃんの熱は高くなってきて、大分辛そうだし。 「…………、」 「?」 早く良くなって、と祈りながら彼の汗を拭っていると、しずかちゃんは、夢を見ているのか、小さく何かを呟く。 手が、何かを探すように布団の上を彷徨うのを見たオレは、思わずその手を握った。 「…………、」 すると、寝ている筈の彼は、とても嬉しそうに微笑んで、 「……り、っちゃ…」 オレの名を、呼んだ。 「……っ!!」 オレは赤面しながら、蹲る。 …悶える事を、許して欲しい。 だって、なんなのこれ!! 可愛すぎっしょ!?オレの彼氏!!← 夢の中までオレを呼んでくれるしずかちゃんが愛しくて、我慢出来なくなったオレは、思わず彼の目尻に唇を押しあてていた。 「……りっちゃん…?」 「!」 ぼんやりしているが、さっきよりずっとしっかりした声に、弾かれるように顔をあげると、しずかちゃんの金茶色の瞳とかち合う。 うわ…気まず。 寝込みを襲ってるのを、本人に見られた。 「…ご、ごめ」 「夢…?」 「………は?」 「……りっちゃんから、キスしてくれるなんて、…夢、だよねぇ…。」 謝罪を遮られ続けられた言葉に、ポカンとしていると、しずかちゃんは何故か納得したように『超良い夢だなー…』なんてニコニコしてる。 めちゃ可愛い← 「……夢なら、いいよね…?」 「…?」 オレが相変わらず悶えていると、しずかちゃんは独り言のように何かを呟き、それを聞き取れなかったオレが聞き返す前に、 「!?」 グイッと、病人とは思えない力でオレの手を引っ張った。 ドサッ、 「…………。」 呆気にとられているオレの背には布団の感触。目の前には、天井をバックに、何故か色気マックスの、オレの彼氏。 押し倒された、んだろうけど……なんで? 呆然としているオレを、しずかちゃんは、欲を孕んだ瞳で見つめ、笑んだ。 「……夢なら、我慢しなくていいよね…?」 ……………………………………………はい? . [*前へ][次へ#] [戻る] |