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出来るかな。
「ちょっ…待った!りっちゃん、待った!」
いつも飄々と構え、何でも小器用にこなす、オレのイケメン彼氏は、只今、見た事も無い位、焦っていた。
てゆうか、テンパっていた。
…面白。
中々無い、しずかちゃんのお願いは、聞いてあげたい。
でもね、
「無理なんだよね。これが。」
「いやいやいや!無理じゃないよ!?そんな決意、いらないし!」
必死で説得しようとするしずかちゃんを、オレは、ムゥ、と見上げた。
何故かそれだけで、しずかちゃんは、頬を赤く染め、うっ、と言葉に詰まった。
「…上目遣いは、卑怯でしょ。」
「?」
何だか良く分からないけど、顔を背けているし、今がチャンス!とばかりに、オレはしずかちゃんのベルトに手を掛けようとした。
「うわーっ!待った!!」
「…チッ」
正気になるの早すぎ。
「りっちゃん今、舌打ちした??可愛いりっちゃんが、舌打ちしなかった??」
「え?したよ?ダメ?」
「許す!」
悪怯れずに、小首を傾げると、しずかちゃんは一層顔を赤くし、即座に言い切った。
…イケメンってのは、顔赤くしてても、格好良いんだね。ズルいなー。
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