Under
8
「…で?他にねぇの?」
チャプ…、と結構広めの浴槽で凛を膝の上に抱えながら、そう問うと、凛は真っ赤な顔で困ったように眉をひそめた。
「だから…もう酔ってないんですってば。」
「知ってる。」
聞いてみれば、どうやら頭を撫でていた頃に、だんだんと酔いも醒めてきたらしく、
それまでの事を思い返し、羞恥に気を失いそうになっていたが、どうせならこのまま我が儘をきいてもらおう、と思い立ったらしい。
…可愛いすぎ。
つまり、『きす、して』は、完全正気な凛からのおねだりなんだろ?
生涯の宝物の一つとして、脳内に一生保管しておこう、とこっそり思いながら、正面から抱き抱えた凛のこめかみにキスをした。
「酔わせたのは、その方が遠慮が無いかと思っただけだ。素面で我が儘言ってくれんなら、その方が嬉しい。」
「…………いいんです、もう。」
凛は顔を赤らめたまま、僅かに俯く。
「…………いっぱい触ってもらえた、から。」
「…………………。」
……コイツ、オレの攻略マニュアルでも持ってんのか?
オレは真顔で、そんなしょうもない事を思った。
「…っ!?」
ビクッと凛は小動物のように跳ね、ツボを突きまくった可愛いらしい顔が、驚き顔で固まった後、へにゃりと困り顔に歪められる。
「…悪ぃ。勃った。」
微塵も悪いと思ってないような顔で、オレはニヤリと笑った。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!