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Under
6


…絶対、なにがあっても
他の野郎と酒を飲ませないようにしよう、と

オレは心に決めた。


こんな可愛い奴を喰わない男はいねぇだろ。
堅物な玄武でさえ揺らぐぜ、これは。


「…もっと、してぇの?」


耳元に囁くと、小さな頭がコクリと頷く。

やけに素直な様子に、酒って凄ぇ、と思いつつ、オレは凛の耳に視線を向け、瞠目した。


「……………。」


…凛の耳は、真っ赤だった。
酒で多少血の巡りは良くなるから、赤くなるかもしれないが、そんなレベルじゃない。


良く見れば、オレの肩口に顔を埋めたままの凛は、フルフルと羞恥に震えている。


―――まさか、


「……りぃ、お前」

「…っ!!」


酔い、醒めてねぇか?と、
問う前に、ビクンと凛の体が跳ねた。


「………………だっ、て」


泣きそうな声で、怯えるように震える手で、オレにしがみ付く凛。
その様は、酩酊してるようには、見えない。


「………………、」


…ああ、やばい。

つまりはアレもコレも、凛の本音で、
恥ずかしいのを我慢して、酒のせいと誤魔化しつつもオレに甘えてくれてたって事か。


「………黒さ、ん」


黙り込んでしまったオレを見上げた凛は、くしゃり、と泣きそうに顔を歪める。


「……触って、欲しかったんです、………ごめんなさ…っ」


謝罪の言葉を、オレは噛み付くようなキスで奪う。


馬鹿だな、りぃ。
謝る必要なんて一切ねぇよ。


オレは今、世界一幸せな男である自信があるんだぜ…?


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