[携帯モード] [URL送信]

Under
4


「…りぃ?」

「はぁい…」

「他は?」


なんかお願いねぇの?と視線で問えば、うーん、と凛は考える素振りを見せたあと、あ、と何かを思いついたようだ。


「あたま、」

「?」

「あたま、なでてくださぃ、」

「……………。」


要望通り、凛のサラサラな黒髪を撫でながら、思う。

…これ、我が儘か?


何とも愛らしい、凛の願い事は、些細すぎて、

しかもオレにとっては、棚ぼた的な事ばかり。


それなのに、とても幸福そうに、ふにゃり、と笑むから、


オレはどんどん増長してしまいそうだ。


「…………、」


……馬鹿りぃ。

もっと我が儘、言え。


オレばっかり喜ばせてないで、オレにもお前の為に、なにかさせろよ。



「…他は?」

「……ほか?………」


次を促すオレに、凛は考え込む素振りを見せた。
ふ、と俯いた凛に、オレは不思議に思い、覗き込む。


「……………、」


すると、此方を見上げた凛の瞳とかち合う。


「…………ぅ、」

「…ん?」


パチ、と瞬きをした後、僅かに潤んだ瞳は、オレをうつしだした。


「……きす。」

「………凛?」




「……きす、して…?」


.

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!