Under
3
「……なんでも?」
「ああ。」
「……………………いっこ?」
凛は考えるように眉をひそめた後、困り顔で、そんな事を聞いてくるもんだから、
オレは甘ったるい笑みを浮かべ、杞憂を取り除くべく、かぶりを振った。
「…何個でもどうぞ?お姫様。」
パァ…と凛の顔が、傍目にも分かるくらい輝く。
喜色満面、ってのは、こんな顔を言うんだろうな、という綺羅綺羅しい笑顔で、凛は頬を染めた。
「…じゃあ、いっこめ。」
凛はフラフラした足取りで、オレの方へと歩いてくる。
咄嗟に支えようとしたオレの肩に手を置き、座ってて、と目で訴える凛の為すがまま、行動を黙って見守っていると、
「…よ、い……しょっと…」
「…………………。」
掛け声とともに凛が腰を下ろしたのは、
………なんとオレの膝の上だった。
横向きにオレの足の上に座り、ご満悦な凛は、まるで猫が喉を鳴らすように、オレの胸に頭を預け、気持ちよさそうに目を細めた。
不安定な体を支えるように、腰に腕を回し抱き込むと、スリ、と更に懐いてくる。
「………………。」
………なんだこの可愛い生き物。
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