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Flower[青凛]
150万打記念小説。
(4位 清水凪(青さん))
※パラレルで恋人設定です。
「…正解。」
「…やっ、たー…!」
オレがノートから顔をあげ、そう言うと、陰は疲れたような顔に喜色と安堵を浮かべ、そのまま後ろへと倒れた。
苦手な数学が大分辛かったのか、ラグの上で大の字になり、起きる様子がない。
「今日はここまでだな。」
オレは苦笑しつつ、教科書を閉じた。
オレの言葉に、ノロノロ身を起こした陰は、律儀にもペコリと頭を下げる。
「勉強見てくれて、ありがとうございました。」
「おう。」
恋人になっても、この妙に几帳面なトコは変わらねぇな、と内心で思いながら、オレは陰の髪をくしゃりと撫でた。
「………。」
すると陰は、日向の猫のように、気持ち良さそうに、目を瞑る。
別に、やましい気持ちでした行動じゃねえ。
ただ単に、お疲れ、程度の意味合いだったんだが…
…その、なんとも可愛い様子に、オレの中の下心がムズムズした。
「…………………なぁ、陰。」
「………?」
オレが、意識的に低くした声で耳に囁くように呼び掛ければ、
陰はパチリと目を開けて、不思議そうな顔でオレを見た。
警戒心ゼロなその顔に、稚い子供に手を出しているようなヤバイ気分になりながら、オレは笑う。
「もう1つの勉強も、…するか?」
「……………、っ!」
一拍置いて、真っ赤に顔を染めた陰に、オレは噛み付くように口付けながら、押し倒した。
「……っあ、ぁ」
胡坐をかいたオレの上に座らせて、背中から抱き込んだ小柄な体が、僅かにしなる。
擦れた色っぽい声と、赤く色付いた耳に気分を良くしながら、愛撫の手を深くした。
平たい胸に手を這わせると、突起に触れる。
男には必要無いソレは、ちゃんと性感帯として役目をはたしており、指先で押しつぶすように強めに刺激を与えると、陰の甘い声が洩れる。
グニグニと捏ねるように弄ぶと、それは芯を持ち、ツン、と主張するように上向いた。
最初の頃は胸を触っても笑い転げていたのになぁ、と妙に感慨深く思う。
色事には全く免疫の無いコイツに無体を働くのが嫌で、ゆっくり慣らし始めて…約一月半。
大分色っぽい反応を返すようになってきた。
今も、主張してTシャツを押し上げる胸の突起や、赤く色付く唇が、やけに艶っぽい。
既に半勃ちになっているものを握り込むと、クチュリと卑猥な音が鳴った。
先端から溢れるものを竿に塗るように指を擦りつけると、ビクン、と陰が強めに跳ねる。
「…ひぁっ!」
宥めるように、耳を食み、裏側に、チュ、と音をたてて口付け、
それに陰が気をとられている間に、後孔に指を伸ばした。
ツ、と突き、ゆっくりと指を沈めると、陰は息を詰める。
まだ後ろは違和感が大きいらしいが、それでも大分慣れてきたとは思う。
「…ぅ、んっ、…あ、」
ゆるゆると拡げるような動きを繰り返せば、苦しそうだった声に、色が交ざり始めた。
……マジで楽しい。
正直、繋がれないのは辛いが、こうして少しずつ、オレの手の中で花開いていく感覚は、たまらねぇ。
昔誰だかが、何も知らない女に1から教えていくのが好きだと言っていたが、それを聞いていた時は、全く分からなかった。
随分面倒な趣味だな、程度にしか思わなかったもんだが…
「…っ、あ、おさんっ…!」
「………、」
本当に――たまんねぇよ。
こんな、オレだけしか知らない陰を、この手で増やしていけるんだからな。
「…あお、さん…青さんっ…」
必死に後ろを向き、オレにしがみ付こうとする陰の目尻にキスしながら、オレは陰の言葉を促した。
「どした?…辛ぇ?」
我ながら、なんつー甘ったるい声だとは思う。
でも、これでいい。
普段滅多に甘えてこないコイツを、こんな時くらいは、めちゃくちゃドロドロに甘やかしてぇから。
「ちが……う…」
フルフルとかぶりを振り、何故か赤い顔で陰は、オレを見上げた。
「…陰?」
「…………青さん、は…?」
…ああ。成る程。
抱えてるから、オレの下半身事情もバレバレだろうからな。
ま、隠す気ゼロだが。
つまりは、陰は、オレに我慢させてるんじゃないか、と、気が気じゃないワケだ。
「………いいんだよ、まだ。」
オレは笑って、陰に触れるだけのキスをした。
「でも…」
「でもじゃねぇの。」
確かにもうすぐ食べ頃だとは思うが、もう少し。
「…正直、一回抱いちまえば、一生離せなくなりそうだしな。」
「え。」
ボソリと呟いたオレに、限界まで目を見開くお前。
ククッ、と笑いながら、
だからもう少しだけ、猶予をやるよ。
心の準備でも、してろ。
……そう、続ける気だった。
が。
「…っ、なら今すぐしましょう!」
「………は?」
何故か陰は、真っ赤な…けれど、やけに真剣な顔で、そうキッパリと言った。
今度はオレが目を丸くする番だ。
呆気にとられ、無言で陰を見ていると、
「……っ、」
陰は恥ずかしそうに俯き、
泣きそうに潤んだ目で、オレを見上げた。
「……だって、」
そうすれば、
一生、離さないでくれるんでしょう…?
そう、消えそうな声で呟いた陰に、
案外強い筈のオレの理性は、プツリと、小気味良い音をたてて、
――キレた。
細い体を押し倒し、組み敷きながらオレは、獰猛な笑みを浮かべる。
「…もう一秒も待ってやらねぇよ。」
煽った責任はとれよ?
逃がさねぇから、お前は一生
オレだけに、愛でられてろ。
(可愛すぎる、お前が悪い。)
END
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