Under
5
黒さんは、胸を撫でていた手も下ろして、両手でオレのものを包み込んだ。
「ふっ…あっ」
ビクン、とのげぞるオレの耳を、黒さんは甘噛みし、ピアスごと耳たぶを舐めあげた。
「っん、」
「…オレのやったピアス、ちゃんと付けてんだな。」
黒さんは、嬉しそうにオレの耳に吹き込むように囁いた。
「…黒さん、が、…んっ、外すなっ…て、言ったんじゃない…で、すか…。」
ある日唐突に黒さんは、片手にピアッサー、片手に小さな箱を持って帰って来た。
箱の正体は、小さなサファイアのピアス。
やるから、穴、開けさせろって…ちょっとポカンとしちゃったよ。
「虫除けだ。…お前に穴開けていーのは、オレだけなんだよ。」
…ワケ分かんない。
でも、何も言われなくても、貴方から貰ったものを、オレが外すワケないけど。
「…ちゃんと、分かってるか?」
ちょっと拗ねたみたいに、黒さんは呟いた。
…何かちょっと可愛い。
肩越しに振り返って、少し高い位置にある、黒さんの顎に、チュッてキスした。
「…黒さんなら、何されてもいいですよ。」
照れくさいけど、大好き、って気持ちのままに、笑ってそう言うと、黒さんは、ビックリしたみたいに、目を瞠った。
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