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Under
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「………。」
「「「………。」」」


シーン…。

物凄く重い沈黙が、店中に落ちた。



「……?」


蝋人形のように固まってしまった白虎さんの腕の中から、ヒョコっと入り口を見ると、そこには固まったまま、こちらを凝視する黒さんがいた。



「黒さん。」


オレが呼ぶと、ピクリと黒さんが動き、他の人達は、ビクッと身を引いた。



黒さんは、何事も無かったように、コツコツと靴音を響かせ、歩きだす。


真直ぐにこちらへ向かって来た黒さんは、オレらの前で足を止めた。


「……黒さん?」


彫像みたいな無表情で、黒さんは、オレを見下ろす。


…こんな顔、見た事無い。


一瞬気圧され、僅かに身を引くと、黒さんの眉間にシワが刻まれた。


グイッ
「えっ!?」


腕を引かれ、オレは白虎さんから引き剥がされた。


黒さんは、オレを見ずに、マスターへ声を掛ける。


「…マコさん、部屋借りるぜ?」


「………。」


誠さんは、暫く黙っていたが、諦めたように鍵を放った。


シャリン、と音をたてて黒さんの手の中におさまったのは、店の奥にある部屋の鍵。


主に黒さんが仮眠をとる時に使われる。


「…あんま虐めんなよ?」


ズンズン進んで行く黒さんに引かれ、慌ててついていくオレの後ろから、誠さんの諫めるような声が聞こえた。


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