Under 10 「痛いトコ、ない?」 オレの後始末をしてくれた後、ソファーで後ろからオレを抱き締めながら、しずかちゃんは心配そうにオレを覗き込んだ。 「ううん。」 フルフルと、かぶりを振ると、しずかちゃんは、申し訳なさそうな顔で、ごめんね、と呟いた。 「…何で謝るの?」 「………いや、りっちゃんが可愛いすぎて、暴走したから。」 言われて、思い返す。 「…確かにちょっと、強引だったね。」 「う。」 「意地悪だったし。」 「うぅ…。」 正直に答えると、しずかちゃんはどんどんへこんでいく。 まぁ、そんなしずかちゃんも、可愛くて好きなんだけど。 オレは内緒話するみたいに、しずかちゃんの耳元に手をあてて、囁く。 でもね、って。 「でも、気持ちよかったよ?」 「!!!」 意地悪なしずかちゃん、格好良かったし。 と、顔を赤くしながら言うと、しずかちゃんは更に顔を真っ赤に染めた。 そんな可愛くて格好良い恋人の頬に、オレは思いをこめてキスをする。 「…誕生日、おめでとう。しずかちゃん。……大好き。」 . [*前へ] [戻る] |