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ハァッ…ハァッ…


駆けるオレの耳に、近付く喧しいクラクションとバイクのエンジン音。


「っ…。」


独特のメロディラインに、オレは咄嗟に、近くの廃ビルに逃げ込んだ。


この近辺は、もう殆ど取り囲まれている。
細い路地を何とか逃げ延びて来たが、それもそろそろ限界かもしれない。


ただでさえ、久しぶりに来た夜の街は、面白い位に様変わりしていて、元の情報は半分近く、役に立たないものに成り下がってしまっているのだから。


苦々しい思いで、低く舌打ちする。


こんな大量の番犬を放って、何を考えてるんだか。
ネズミ一匹追い詰める為にしちゃ、大袈裟すぎやしないか。


玉座で不遜に笑う姿を思い浮かべ、もう一度舌打ちしたくなった。


何処で高みの見物を決め込んでやがるんだ。


あの傲慢不遜な王様は。



その場に留まるワケにもいかず、オレは、立入禁止の廃ビルの階段を登り始めた。


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あきゅろす。
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